リアル首狩族「ナガ」の末裔が住む村に潜入! 国家権力を超越した王が持つ“人歯ネックレス”がヤバイ
電気もなく薄暗い、ひんやりとした土間。わずかに差し込む太陽の光に照らされていたのは、太古の土偶や埴輪を連想させる、きわめてプリミティブな造形をした人形の数々だ。壁には水牛の頭骨であろうか、巨大な角を持った動物の骨で、すきまなくびっしりと埋め尽くされている。
傍らには、人の顔を象った、小さな木製のネックレスが、やはり所狭しと飾られている。どの顔も苦悶に喘いでいるように見えるのは、気のせいだろうか。そのうちのひとつを手にとってみる。歪んだ表情。半開きの口の中には、白く装飾が施されていた。
「そいつには、本物の人間の歯を埋め込んであるんだ」
ガイド役の男が耳元で囁く。
「首狩り時代のものさ」
インド・ミャンマー国境ロンワ村。おもにナガ族という人々が暮らすこの村は、いまでもほとんど国家の統治が及ばない。両国の兵士が駐屯してはいるが、代々続いた昔ながらの「ムラの掟」に基づき、人々は暮らしている。
そしてナガ族はかつて、首狩族として勇猛を馳せていた。近隣の村やほかの部族との争いの際に相手の首を切り落とし、それを神に生贄として捧げる、一種の呪術的な儀式であったといわれる。また、いっぱしの男として名を上げるための行為だったともいう。
この風習を終わらせたのはイギリスだった。18~19世紀にかけて、インドも含め周辺のミャンマーなどにも侵略、植民地化を進めていったイギリスは「首狩りは野蛮なり」と禁止にしたのである。
しかし彼らはイギリスに抵抗。多くの死者を出しながらもイギリス支配に立ち向かった歴史を持っている。ナガ族の勇猛さはそれだけではない。第2次大戦時には、かのインパール作戦にも、日本軍に協力、従事している。というのも日本軍は戦勝を収めた場合、ナガをひとつの国家として独立させると約束したからだった。
日本の敗戦によって実現はならなかったが、戦後も、イギリス撤退後も、独立を諦めることはなかった。インド、ミャンマー両政府に対し武装闘争を繰り広げ、ようやく戦火が収まってきたのは最近のことである。そして2012年から、部分的にではあるが外国人の訪問も許可されるようになってきたというわけだ。近年まで外国人がほとんど入域できなかったこと、加えて深い山岳ジャングルにあったことから、いまでもナガには昔ながらの風習、文化が息づいているのだ。
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2024.10.02 20:00心霊リアル首狩族「ナガ」の末裔が住む村に潜入! 国家権力を超越した王が持つ“人歯ネックレス”がヤバイのページです。ミャンマー、アジア、少数民族、ナガ族、室橋裕和、首狩族などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで