12歳で少女の体を切り刻むエチオピアの「スルマ族」 ― スカリフィケーションという、痛く美しい儀式

スカリフィケーション(scarification)」とは、身体装飾(身体改造)の一種で、皮膚を傷つけた際に形成されるケロイドによって身体に模様を描くものだ。


■サルマ族のスカリフィケ―ション儀式

 最近は欧米ではタトゥーよりも、スカリフィケ―ションに人気が集まっているという。しかし、スカリフィケ―ションの元祖とも称されるエチオピアのスルマ族のそれは単なる装飾ではない。

12歳で少女の体を切り刻むエチオピアの「スルマ族」 ― スカリフィケーションという、痛く美しい儀式の画像1スカリフィケ―ションの儀式を受けたサルマ族の12歳の女の子 「Daily Mail」の記事より

 スルマ族にとって、思春期の女の子が身体を切り割かれる痛みを我慢できることは、その子の精神的成熟と出産への意欲を示すものと考えられる。そして部族の男性は傷のない肌を「醜い」と感じると言い、それが現在までこの風習が残っている理由の1つでもある。

 写真家のエリック・ラフォルグ氏は、エチオピアのオモ渓谷で12歳の女の子が受ける伝統的儀式を目撃することができた。ラフォルグ氏はその場面を「苛烈な太陽光線の下で肌が切られ血が流れ、傷口にはハエが群がっていた」と語る。

12歳で少女の体を切り刻むエチオピアの「スルマ族」 ― スカリフィケーションという、痛く美しい儀式の画像2 「Daily Mail」の記事より

 女の子はエチオピアの部族社会で美しいとされる模様状の傷痕を作るために、ナイフやカミソリで肌を切られる。ラフォルグ氏が見た女の子は、「10分間にわたる儀式中、何も言葉を発せず、痛そうな様子さえ見せなかった」という。しかしラフォルグ氏が儀式後に彼女に肌を切られるのはつらくないかと尋ねたところ、彼女は実はもう少しで失神するところだったと告白したという。

 そしてラフォルグ氏は、この女の子は誰からもこのスカリフィケ―ションを義務付けられ、強制されたわけではなく、自分から進んで選択していたことに驚く。スカリフィケ―ションは部族の美しさの象徴であり、スルマ族の伝統なのだ。

12歳で少女の体を切り刻むエチオピアの「スルマ族」 ― スカリフィケーションという、痛く美しい儀式の画像3 「Daily Mail」の記事より

■治りかけた傷口を故意に開く

 メラニン色素が多い肌はケロイドになりやすいという傾向にあるようだが、スルマ族のスカリフィケ―ションはそれをうまく利用しているかたちだ。より目立つケロイド状の傷を作るために、スルマ族の人々は治りかけた傷口を故意に開く。そしてその傷口に樹液や木炭、植物性の顔料をこすりつけて、傷の治りをわざと遅くする。この過程によって傷痕は感染症を引き起こし、治った時には著しく突出したケロイドを作ることができる。

 スカリフィケ―ションは芸術であると部族の人々は信じる。またスカリフィケ―ションは1度だけではなく、人生の上で重要な出来事が起きたり、特定のメッセージを表すシンボルとしても身体に何度でも追加される。

 批判されている女性の性器切除(FGM)とスカリフィケ―ションを同一視する人もいるが、スカリフィケ―ションは人体に特定の文様をデザインする事に重点を置いており、女性虐待とされる性器切除(FGM)とは異なるものだ。

12歳で少女の体を切り刻むエチオピアの「スルマ族」 ― スカリフィケーションという、痛く美しい儀式の画像4 「Daily Mail」の記事より

■他部族もさまざまなスカリフィケ―ションの習俗を持つ

 そしてスルマ族だけがスカリフィケ―ションの慣習を持つ部族ではない。他部族もまたさまざまなスカリフィケ―ションの慣習を持つ。

 ボディ族の女性は金属を使用して肌を傷つけ、肩の周りに渦巻きの模様を描く。またカロ族は、男性も女性も傷痕を作る。男性の胸につけられた傷痕は敵を殺害した経験を示し、女性の傷は美しくて性的魅力があると考えられる。またメニット族の女性は深く変色した傷痕を石によってつけ、カラユー族は猫のヒゲに似せた傷痕を頬に刻む。

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