中国で5千年前の「巨人村遺跡」が発掘される! 大男の人骨が出土、高度な生活も明らかに!
悠久の国、中国でおよそ5000年前の“巨人” が考古学者により発見・発掘されたと報じられた――。
■190センチを優に超える巨人の人骨が発掘される
山東省済南市郊外にある焦家遺跡で12カ月間にわたって発掘作業が行われ、推定身長180~190センチの男性の人骨が見つかったという。
しかもこれはあくまで骨からの推定身長であり、実際は190センチを優に超えていたに違いないと山東大学の歴史文化学部長のファン・ホェイ氏はコメントしている。
時代は異なるが日本では縄文人の平均身長が156センチ、渡来系弥生人が163センチほどだったのと比較すると、ずば抜けた大男たちだったに違いない。
遺跡は黄河下流に位置した新石器時代の後期のもので、100以上の家跡や200以上の墓、20前後の人身御供の跡と思われる穴が今回の調査対象になった。
ホェイ氏は「既に農業文化は根付いており、当時の人々には多様で豊富な食物資源がありました。彼らの恵まれた体格はこのことも背景にあるでしょう」と語っている。同遺跡からは豚の骨もまとめて見つかっており、農業と並行して養豚も行っていたと考えられている。
専門家らは骨格が大きい、つまり身長がより高い者がより高い地位についていたと推測していて、それは村が形成された初期により大きくて強い者が美味しくて栄養のある食物を得ることができたからではないかと取材に応えている。
ちなみに公式な統計資料でも、山東省付近に居住していた人々は中国国内で最も背が高いことが判明している。2015年の資料では、18歳男子の平均身長が中国全土で171.9センチなのに対して山東では175.3センチで全国トップだ。
■5000年前の古代中国に文化的に高度な生活圏が存在していた
面白いことに、かの有名な大思想家である孔子は山東省の生まれだが、身長が190センチほどもある偉丈夫だったと伝えられており、この地域の巨人伝説を裏付けるものとなっている。
また異常なほど大きな骨格に加えて、当時の住居跡から推察して古代とは思えないほど並外れて快適な生活を送っていたことも判明したという。家は台所や寝室が分かれており、非常に頑丈に建てられていたようだ。色彩豊かな陶器類と翡翠加工品も見つかっているという。
墓地からは頭部と足に損傷を受けた骨が複数見つかっているが、これらは身分の高い人物同士での権力闘争によるものという見方が有力である。
発掘チームリーダーであるワン・フェン氏をはじめ専門家らは、現代からはるかに遡った5000年前の古代にこの地域では政治的かつ経済的、そして文化的に高度な生活圏が存在したとみている。かなり広大な焦家遺跡だが現時点ではごくわずかな部分しか発掘が終わっておらず、さらに詳しく調査するため今後は発掘地域を拡大していきたいという。
東中国の文化的なルーツを知る上で非常に重要な鍵になるというこの調査、まだまだ興味深い遺物が眠っているに違いない。
参考:「EWAO」ほか
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