「フォーブス」も取り上げた“中世の女巨人”の骸骨とは? 手足が折り曲げられた状態で埋葬!=ポーランド
ポーランドにある、景観が美しく歴史ある島、オストルフ・ツムスキ(Ostrow Tumski)――。この島に残る中世の教会の外側で、非常に珍しいものが発掘された。
■風光明媚な島で“巨人”の骸骨が発掘される
現地博物館から派遣された専門家らが見つけたのは、埋葬された女の巨人と思われる奇妙な骸骨である。巨大な骨の主の身長約215.5センチ(7.2フィート)もの高さがあったこと、そして彼女が病気や怪我に悩まされて短い生涯を閉じたことを示しているという。
世界的経済誌「Forbes」はこの件を紙面で紹介。生物考古学者のMagdalena Matczak氏及びTomasz Kozlowski氏が今年上梓した『New Developments in the Bioarchaeology of Care』を取り上げつつ、この女性の興味深い骨格と奇妙な墓について言及した。
発見場所の墓地は元々は当時の富裕層が埋葬されていた場所で、11世紀初頭のポーランドに君臨した王に連なる高い階級に属していた貴族階級用のものであった。しかし、12世紀後半までには庶民も埋葬される習慣に変化していき、同墓地ではこれまでに2,500体ものさまざまな階級の人々の骨が発見されている。
そして現在、この場所で最も有名な居住者となったのは、20代後半で亡くなった階級の低い巨大な女性である。
女性の遺体には幾つかの不思議な点がある。墓地では他の人々は全て頭部を西向きに埋葬されているのだが、なぜかこの女性は頭部を東向きにして横たえられているのだ。装飾品などは一切身につけていない。体も妙なポジションで横たえられており、左手は肘を付くような感じで頭を抱えているようにも見え、右手と左足も折り曲げられているのである。
■2mを越える骸骨の女性は先端巨大症か
最も特徴的なのは女性の身長が2メートルを超えていることだが、女性はおそらく巨人症もしくは先端巨大症を患っていたとMatczak博士らは見ているという。
先端巨大症は脳の下垂体前葉の成長ホルモンが過剰産生され、手足や内臓、顔の一部分が肥大する病気の為、様々な疾患に苦しめられたようである。
さらに数人のバイオ考古学者達はこの女性の身長と体重及び脊柱を調査し、長い間椎間板ヘルニアで変形性関節症の徴候があったと指摘している。生前に右上腕部と左下腿部を骨折しているが、これは骨密度が低く骨が弱かったためと分析しており、さらに肋骨の状態から肋膜炎(肺炎症)も患っていたことも判明したという。
巨人症や先端巨大症は糖尿病や高血圧、頭痛、睡眠無呼吸症候群、皮膚の変化、舌の肥大化、女性の場合は無月経などの機能障害が起きたり、本人に精神的な問題が起こることもある。
無論これらの問題が骨に痕跡を残すことはないが、「先端巨大症と精神異常、巨大症と知的障害の相関関係があれば、この女性がなんらかの精神疾患か認知機能障害があった可能性もある」といい、女性が常時ではなくとも時折家族や友人らの支えが必要であったのではないかと推測しているようだ。
特に、足を骨折しながら死亡時には回復していることから、周囲の誰かが数カ月の間女性を休ませて介抱したのではないかという。
発見された骨格と埋葬状態から、「女性は生きている間、その外見的な特徴、そして抱えていたかもしれない精神的(認知的)な機能問題のせいでコミュニティの中で異なる扱いをされていたのかもしれない」とMatczak博士らは結論づけている。だが、20代後半まで生き延びたということはなんらかの治療や支えがあったとも思われ、女性が社会から拒絶されたり排除されたりすることはなかったことも示唆しているという。
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