仏教僧や神父がドラッグを摂取したらトンでもないことが起きる? 米有名大学が禁断の実験へ
■神学生がトリップした「マーシュ礼拝堂実験」
1962年の聖金曜日(4月20日)、後に「マーシュ礼拝堂実験」と呼ばれる恐るべき実験が行われた。実験に参加したのは、アメリカ・ボストン地区の神学院生と教授、そして、実験を執り行ったハーバード神学校の学生ウォルター・パンケである。
パンケは、LSDグルとして知られる心理学者ティモシー・リアリーの指導の元、博士論文を執筆している最中であり、この実験もそのためのものだった。こともあろうか、パンケは神学生らに幻覚性のキノコ(シロシビン)を摂取させ、幻覚剤が神秘的な宗教経験を引き起こすか試したのだ。
実験後、被験者の大半は深遠な宗教的経験をしたと報告。その1人、後に比較宗教学の権威となるヒューストン・スミスも「これまでに経験した中で最も力強い宇宙的回帰だった」と述懐している。
■仏教僧やユダヤ教のラビがドラッグを摂取したら?
英紙「The Guardian」(7月8日付)などによると、この度、米ジョンス・ホプキンス大学の心理学者ウィリアム・リチャーズ教授らが、異なる信仰を持つ24人の宗教指導者の協力のもと、同実験を拡張・再現するというのだ。被験者となる匿名の宗教家らには、パンケの実験と同様、シロシビンが投与される。今回の実験の目的は、宗教家らの思想や自信が幻覚剤による超越的な経験によりどのように影響するかを見ることにあるという。実験には、すでにカトリック神父、正教徒司祭、ユダヤ教のラビ、禅仏教徒が参加しており、現在はヒンドゥー教徒とムスリムのボランティアを募集中とのことだ。
これらの実験は、2人の“ガイド”の立会いのもと、ジョンス・ホプキンス大学とニューヨーク大学で行われ、予備的なメディカルチェックと心理チェックをパスした被験者らは、1カ月置きに2回に渡ってシロシビンが投与された。投与後は目隠しをし、ソファーに横たえ、ヘッドフォンで宗教音楽を聴かせたそうだ。
リチャーズ教授は、実験後に被験者らの宗教観がより普遍的なものになり、同時に自身の信仰をより深く評価することができるようになっていることに気付いたという。
「死んだ教義が意味ある形で彼らに蘇ったようです。自身らの信仰が真実であると気付いたのです」(リチャーズ教授)
「意識の超越的な状態において、人々は普遍的な意識レベルに到達するようです。そのため、もしかしたら、信仰心の篤いラビが自身の中のブッダに会うこともあるかもしれませんね」(同)
「これは大胆な想像ですが、私が死んでずっと後、幻覚剤がいつか宗教的な修行やラビの訓練などで活用されることがあるかもしれません」(同)
「合法的に意識の霊的な状態を拡張する機会がどうしてあってはならないのでしょう?」(同)
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2024.10.02 20:00心霊仏教僧や神父がドラッグを摂取したらトンでもないことが起きる? 米有名大学が禁断の実験へのページです。仏教、キリスト教、心理学、マジックマッシュルームなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで