幻聴を聞いている脳の場所が特定される! “神の声”の謎も解明、統合失調症の治療に劇的進歩か!? (最新研究)

――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ

 統合失調症の厄介な症状の一つ、幻聴。患者のおよそ70%が体験するという。だが今月5日、脳への磁気刺激による治療で幻聴の症状が抑えられるという研究が発表された。幻聴に関わる脳の領域が特定されたというのだ。サイエンスメディア「Futurism」などが報じている。


■統合失調症と幻聴

 統合失調症は幻覚や妄想などを特徴とする精神疾患で、およそ100人に1人という高い頻度で発症する病気である。日本国内にも79.5万人(2008年の厚生労働省による患者調査)もの患者がいるとされる。幻聴はその主要な症状の一つであり、実際には誰もそんなことを言っていないのに、「お前は馬鹿だ」「あっちへ行け」などの悪口や命令、あるいは行動を監視しているかのような言葉が聴こえるという。

幻聴を聞いている脳の場所が特定される! 神の声の謎も解明、統合失調症の治療に劇的進歩か!? (最新研究)の画像1TMSの模式図。画像は「NIH」より引用

 今月5日、欧州神経精神薬理学会(European College of Neuropsychopharmacology)で発表された内容によると、研究者たちは統合失調症患者の幻聴に関わる脳の領域を発見し、経頭蓋磁気刺激法(TMS)による治療が3割の患者に有効であることが判明したという。TMSとは電磁石によって脳へ電気刺激を与える治療法で、頭痛やパーキンソン病などの神経症状や、うつ病などの精神症状を改善させることが知られている。

 幻聴に関連しているとみられるのは、側頭葉の言語に関連する領域だった。26人の患者が2日にわたり、この部位に対してTMSの治療を受けた。そして2週間後に再検査したところ、患者の34.6%に症状の改善が見られたという。だが、長期的な効果についてはさらなる研究が必要だという。

幻聴を再現した動画。「YouTube」より引用

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