石川竜一写真集『okinawan portraits 2012-2016』
石川竜一写真集『okinawan portraits 2012-2016』
「自分の中でもそういう意識はあります。『okinawan portraits 2010-2012』を撮っていた頃と比べて、僕自身のメンタルが柔らかくなった感じがしているんです。社会性が出てきたというか意識のおよぶ範囲が広くなったというか。写真集を出版して、人との関わりが増えてきたなかで、社会的な問題や意識に触れる機会も増えた。それが、自分の目にも引っかかるようになってきました。視点が増えて考えの幅が広がったことが、写真を撮る際の物事を見る目に影響しているんじゃないでしょうか」
4つのパートからなる写真集の構成も、そんな石川さんの内面の変化をより強く感じさせる。
「1章めは人の内面が出ているような写真とそれを意識させる風景や出来事。2章めは街。場所というか社会というイメージですね。3章にはちょっと政治的なものを入れて、4章はその総体としての人に戻る、というような構成です。自分の意識が広がったからこそ、そういうふうに組み立てられるようになったんだと思います」