ゾクゾクするほど“圧倒的剥き出し”の沖縄写真集ー木村伊兵衛賞作家・石川竜一インタビュー「知ってしまったら逃げられない」ｰオカルトニュースメディアトカナ(9ページ目)

ゾクゾクするほど圧倒的剥き出しの沖縄写真集ー木村伊兵衛賞作家・石川竜一インタビュー「知ってしまったら逃げられない」の画像14

石川竜一写真集『okinawan portraits 2012-2016』

■目の前にある「身近なもの」を撮り続けていくだけ

　あるWebサイトに載った石川さんのインタビュー記事に、「沖縄で撮るポートレートはこれで打ち止めにする」というようなことを匂わせる内容が書かれていた。しかし、沖縄でのポートレート撮影を一切止めるということではないようだ。かといって、沖縄を離れて日本全国を撮り歩くことを意図しているわけでもない。

「これまでどおり自分の身の回りにある物や人、出来事を撮っていこうと思います。『okinawan portraits』は『沖縄で撮ったポートレートでそれ以外はない』っていう、『場所』という一番シンプルなくくりで区切っていた。今は県外で撮ることが多くなって、『沖縄』っていうくくり、キーワードが自然と少なくなってきただけなんですよ。2016年に沖縄県内で撮ったものと県外で撮ったものを混ぜて写真展で発表しました。でも、それはテーマが変わったわけではなくて、その時僕が行った場所で出会った人をただ撮ったということなんです」

　あくまで、自分の周囲にある身近なものを写真に撮り発表していく。石川さんの活動のスタンスはきっとこれからも変わらない。『okinawan portraits 2012-2016』は、そんな石川さんの、現時点における沖縄ポートレートの集大成と言っていいのかもしれない。

　11月6日まで、横浜市のBankART Studio NYKにて日産アートアワードのファイナリストによる作品の展示が行われている。もちろん、石川さんの写真もそこにある。読者の皆さんもぜひ、会場に足を運んでみてください。また、11月11日（土）からは、渋谷アツコバルーにて石川竜一写真展「OUTREMER/群青」が始まる。

■写真集info
『okinawan portraits 2012-2016』
アートディレクション：町口景
仕様：245mm×255mm／288ページ
定価：5,000円＋税
発行：赤々舎
・http://www.akaaka.com/publishing/books/bk-op2.html

■展示情報
日産アートアワード2017「ファイナリスト5名による新作展」
会期：2017年9月16日（土)～11月5日（日）
*休館日：第2・第4木曜日
会場：BankART Studio NYK 2F（神奈川県横浜市中区海岸通3-9）
・http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/

■展示情報2
石川竜一写真展「OUTREMER/群青」
会期：2017年11月11日（土）～12月10日（日）
会場：アツコバルー arts drinks talk（東京都渋谷区松濤1-29-1 クロスロードビル5F）
開廊時間：水〜土：14:00〜20:00、日月：11:00〜18:00　休廊日：火曜
入場料：¥500
・http://l-amusee.com/atsukobarouh/schedule/2017/1111_4456.php

「大竹昭子×石川竜一トークショー」
2017年11月17日（金）19:00〜20:30（18:30 受付開始）
料金：￥1,000
予約：アツコバルーarts drinks talk
[email protected] / 03-6427-8048（営業時間内のみ）
※希望日・お名前・人数・お電話番号をお知らせください。
※イベント当日の通常営業は18時まで。
※電話予約は対応できない日時もあるため、メール予約をおすすめします。
・http://l-amusee.com/atsukobarouh/schedule/2017/1111_4456.php

■作家info
石川竜一（いしかわ・りゅういち）
1984年沖縄県生まれ。2006年沖縄国際大学科社会文化学科卒業。沖縄県在住。2015年、第40回木村伊兵衛写真賞、日本写真協会新人賞を受賞。近年の個展に｢絶景のポリフォニー｣（銀座ニコンサロン、東京、2014）、｢zkop｣（アツコバルー、東京、2014）、｢okinawan portraits｣（The Third Gallery Aya、大阪、2015）、｢考えたときには、もう目の前にはない　石川竜一展｣（横浜市民ギャラリーあざみ野、神奈川、2016）、｢CAMP｣（WAG gallery、東京、2016）、｢CAMP & OKINAWA｣（Have A nice GALLERY、台北、2016）、グループ展に｢ドバイ・フォト｣（ドバイデザインディストリクト、ドバイ、2016）、｢六本木クロッシング2016展　僕の身体、あなたの声｣（森美術館、東京、2016）等。主な写真集として、『okinawan portraits 2010-2012』（赤々舎、2014）、『絶景のポリフォニー』（赤々舎、2014）、『adrenamix』（赤々舎、2015）、『CAMP』（SLANT、2016）、『okinawan portraits 2012-2016』（赤々舎、2016）がある。