進化論の祖・ダーウィンは近親婚していた! 悲劇、遺伝子疾患、形態異常…世界的に有名な“タブー近親婚”の4事例!

進化論の祖・ダーウィンは近親婚していた! 悲劇、遺伝子疾患、形態異常…世界的に有名なタブー近親婚の4事例!の画像4スペイン・ハプスブルク家の家系図。画像は「Wikipedia」より引用

■スペイン・ハプスブルグ家の断絶

 中世ヨーロッパにおいて、近親婚は教会により禁止されていた。しかし、王侯貴族の間では教会に特例を得たりして、近親間での結婚が公然と行われていた。その1つが政略結婚で有名なハプスブルク家だ。

 その中でも、近親婚の弊害が強く出たと言われるのがスペイン・ハプスブルク家である。宗教政策や高貴な地位ゆえ、フェリペ二世以降は3親等以内での結婚が増えた。結果、最後の王カルロス二世は遺伝子疾患を持ち、病弱で知的障害もあったといわれる。早逝して子孫にも恵まれず、スペイン・ハプスブルク家は断絶した。

 

■ハワイ王家・悲劇の兄妹

進化論の祖・ダーウィンは近親婚していた! 悲劇、遺伝子疾患、形態異常…世界的に有名なタブー近親婚の4事例!の画像5ナヒエナエナの肖像。画像は「WIkipedia」より引用

 近世においても、非キリスト教圏では高貴な家系の近親婚が続いていた。19世紀のハワイ王家もその一つだ。大王カメハメハ一世と妻ケオプオラニの間に生まれたカウイケアオウリとナヒエナエナの兄妹は、神聖な血を守るために結婚を定められた。二人は深く愛し合ったという。

 だが、ハワイにもキリスト教が伝来した。母ケオプオラニはその教えに傾倒し、キリスト教は政治にも影響を与え始めた。キリスト教においてきょうだい婚は禁忌だ。兄と妹の婚約も解消となり、カウイケアオウリは別の女性と結婚した。一方、ナヒエナエナは兄との子を出産するも、その子はすぐに死んでしまった。世を儚んだ彼女は自殺してしまった。まだ21歳の若さだった。

 近親婚の理由はおおよそ「(高貴な)血筋を守る」「親族間のつながりを強化する」というものだ。古代エジプト王家や中世ヨーロッパの王侯貴族に多いのも当然で、彼らは近親婚で自らの権力と財産の集中・強化を図り、拡散・散逸を防いでいたのである。

 タブーとされつつ古代から現代まで続く近親婚。生物学的にも、文化的にも、そして歴史という観点でも、興味を引く題材であることは間違いない。


参考:「All that is interesting」、「BBC News」、ほか

文=吉井いつき

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