上祐史浩が警鐘「人工知能を恐れる理由は“罪の意識”」「北朝鮮危機と軍産複合体」 現代社会と国際情勢を一喝(独占インタビュー)

上祐史浩が警鐘「人工知能を恐れる理由は罪の意識」「北朝鮮危機と軍産複合体」 現代社会と国際情勢を一喝(独占インタビュー)の画像3上祐史浩氏(撮影:編集部)

■人工知能を恐怖する理由は“罪の意識”

――スティーブン・ホーキング博士や起業家イーロン・マスクは、人工知能がいずれ人類に反乱を起こし、映画『ターミネーター』のような事態に陥ることを危惧しているようですが、その可能性はありますか?

上祐  人工知能に対して、欧米と日本では見方が異なりますね。日本では「鉄腕アトム」や「ドラえもん」のようなアニメが有名ですから、人間に友好的な人工知能のイメージが定着しています。それが欧米では、人工知能の反乱をテーマにした『ターミネーター』などの作品が有名です。これはなぜか? もしかすると、世界各地を植民地侵略し、多くの生き物・民族を排除してきた欧米の文明は、人工知能が自分たちの「鏡」として、同様の事を自分たちに行うようになる――つまり、人工知能から見て「人間は要らない、存在自体が害悪だ」と判断されるのでは、という不安の現れなのかもしれません。人は、他者を自分の人格を通して判断しますから。

 近いうちに人類と人工知能との間で戦争が起きる可能性は少ないと思いますが、いずれは、映画『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』に登場するようなロボット兵士が開発されるかもしれません。特に人類の歴史から見ても、残念ながら科学の研究は、軍事的な理由で急速に進む面がありますよね。

 例えば、アメリカは長年対テロ戦争を行っていますが、未だ勝利を手にしていない状況ですから、人間の兵士を犠牲にせず、ロボット兵士を作って投入したいという欲求は強まるかもしれません。現在、すでに無人偵察機などは使われ始めています。しかし問題は、自分たちが作ったロボット兵士が、イスラム過激派を攻撃するのではなく自分たちを攻撃しないか、ということになりますね。


■緊迫する北朝鮮情勢の真相、アメリカの思惑

――現在の北朝鮮情勢について、戦争は起きると思いますか?

上祐史浩が警鐘「人工知能を恐れる理由は罪の意識」「北朝鮮危機と軍産複合体」 現代社会と国際情勢を一喝(独占インタビュー)の画像4上祐史浩氏(撮影:編集部)

上祐  普通に考えれば、アメリカも北朝鮮も、損得をわきまえて動いていると思います。アメリカは、日本や韓国に自国の兵器を大量に売りつけることができますし、もうその動きがあります。かたや北朝鮮は、核兵器こそが、イラクなどさまざまな政権を倒してきたアメリカから自らの体制を守るための保証と考える点で、超リアリストであるようにも見えます。ですからその意味で、現時点で全面戦争の可能性は高くないと思います。

 ところが戦争とは、合理的に考えると起きないはずの時に起きてしまうことも、また人間の歴史の事実ですよね。ヨーロッパにおける第二次世界大戦の勃発も、当初は「まさか?」という大変な驚きをもって受け止められました。大日本帝国も、石油を断たれた後に、到底勝てないと思われたアメリカとの戦争に精神主義で突っ込んでいった。もしも北朝鮮が、同じように石油を絶たれるなどした場合、どうなるのか。だから、可能性がまったく無いとは言えませんよね。

 そして長期的には、核ミサイルを本当の意味で無力化できるものとして、超遠距離のレーザー兵器の開発需要が増すのではないかと思います。今のミサイル防衛網では、全部は撃ち落とせないでしょうから。

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