「ジェンダーフリー、SM、男装の哲学」を哲学ナビゲーター・原田まりるが語る!

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――大変そうですね。アイドル生活はどれぐらい続いたんですか?

原田 約5年間ぐらいですね。臨床心理士の矢幡洋先生の本だったと思うのですが「ナルシシズムは防衛本能だ」という一節がありまして、解説すると「自分が女のコとしてカワイイ」と思うナルシシズムがあれば、そのカワイさを超える女のコはいないので、同性のことを好きにならない。それが生殖生物としての防衛本能になっているという説です。
 私の場合は自分が男装した男の子としてすごくカッコイイというナルシシズムがあったんです。だから、男の子のことを好きになれないのじゃないかというジレンマがありました。実際、その5年の間には、あんまり人を好きにならない時期もありました。「俺、最高!」的な(笑)

――アイドルを引退してからは、心が晴れたりしましたか?

原田 ずっと目標にしてた執筆業につけたので嬉しいですね。今、「アラフォー社畜の美少女生活」というラノベを書いていて、40歳の社畜のおじさんが美少女アイドルに転生してしまう話なんです。どこかに名残はありますね。見た目は美少女、中身はアラフォー。美少女となったおっさんの独白をひたすら描くハーレムコメディーです。webで無料公開しているのでぜひご覧ください。

――原田さんの方向性としてジェンダーフリーがあるんですね。

原田 そうですね。私の興味があるジェンダーとしては社会的な仕組みというよりも男性が、男性らしさにとらわれているのを開放したい。女性らしさ、男性らしさって時に個性を凌駕する価値観として刷り込まれていると思うんです。それって不自由だよなー、と。さらにいうと男性性、女性性に囚われすぎると、異性を神聖化しすぎて軽視してしまうこともあると思うので、アイデンティティ形成はもっとジェンダーの垣根を超えていいのではないかと思います。

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 あとこれは趣味の範疇ですが具体的には男性を姫扱いしたり、「君は本当はカワイイ存在なんだよ」と刷り込んだり、というフェティッシュな感情があります。なので、今年の目標はスーパーダーリンになることです(笑) 実は、小学生のときから1日5時間ぐらいSMについて考えていたんですよ(笑) 支配したいという気持ちの先に何を見ているのか。支配は自分の自信のなさを埋めているのか。権威を振りかざしているのか。「支配」という言葉の奥に何があるのかを今でも知りたいですね。また「隷属」の先にもいろいろあるでしょうし。

――SMプレイに向かうわけではなくて?

原田 いや、精神性の方ですね。血を出したいとかそういう肉体的なことにはあまり興味がないですね(笑)

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