哲学ナビゲーター・原田まりるの「最高に心に響く哲学者の言葉3選」! 願いが100%叶う神社エピソードも
■原田まりるが選ぶ最高に胸に響く哲学者の格言
――本書の中で特に原田さんが気に入った格言はありましたか?
原田 選ぶならこの3つですね。
11月2日の「悲しみというものは毒のようなものだ。毒を好むことはできるが、それで気分がよくなることはない」(アラン)
2月8日の「われわれは他人に似せるため、厳しい自己放棄によって自身の四分の三を捨てなくてはならない」(ショーペンハウエル)
4月21日の「人間は、恐れている人より、愛情をかけてくれる人を、容赦なく傷つけるものである」(マキャベリ)
――厳しめなセレクトですね。
原田 確かに毒もありますが、読んでみると納得するんですよね。また、このパスカルの言葉も自分の中で「たしかにある」と思えるんです。
7月3日の「すべての人は、幸福になることをさがし求めている。それには例外がない」(パスカル)ですね。
普通に生活をしていて「なんでそんなことすんねん!」と思うような行動を他人にされ、理解できないときってありますよね。でも、そんな時にパスカルの言葉を思い出して、私にとっては理解できなくても、その人の中では、それが“幸福”な行動なんだと思うと、他者の理解に役立ちます。普段他人に対してあまり怒ったりしない方ですが、より寛容度がアップしましたね!(笑)
――おっしゃっていたように哲学には毒の部分も大いに含まれていると思います。哲学を知らしめていくことに怖さはないですか?
原田 ある哲学書を読んだことで結果的に自殺してしまった人もいます。哲学にそういった危険があるのは確かですが、冷静になって考えてみれば、哲学書を読んで死んだ人の数と『頭文字D』を読んで死んだ人の数なら、『頭文字D』の方が多いと思うんです(笑)
哲学書を読んだから、幸福・不幸になったではなく、哲学者の言葉を自分なりに噛み締めて、その上で自分の行動を決めるしかないんです。
――ほかのインタビューで哲学を学び始めたきっかけとして、「タウマゼイン」(哲学用語。古典ギリシャ語で「はっ」とするような驚嘆の意)があったとおっしゃっていましたが?
原田 初めて哲学の本を読んだとき、自分の頭の中にある曖昧で、整理ができていないことが、キレイに文章にまとめられていると思いました。だから哲学書は「なるほど、こういうことか」の連続でした。
最近は街を歩いていたりしても、常に発見や驚きがありますね。私のタウマゼインは、ひらめきというより、カテゴライズのどのパターンにハマるかを見つけて、「なるほど」と思うことかもしれません。
――昔から今までずっと哲学がお好きなのはどんな理由があるんですか?
原田 私、哲学に呪われているんじゃないかと(笑)。 一体なにに突き動かれているのかわからないときがありますけど、「愛とは知の極点である」という西田幾多郎(日本の哲学者)の言葉が当てはまります。哲学を愛しているからもっと知りたいんですかね(笑)
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