哲学ナビゲーター・原田まりるの「最高に心に響く哲学者の言葉3選」! 願いが100%叶う神社エピソードも
――ちなみに今注目の哲学者はいらっしゃいますか?
原田 英米系の哲学者は“くる”んじゃないかと思っていて。今後はJ・スチュアート・ミル(19世紀イギリスの哲学者。著書『自由論』)とバートランド・ラッセル(20世紀イギリスの哲学者。著書『幸福論』『哲学入門』)が一般化しそうな気がします。実際にNHKの『100分 de 名著』にもラッセルは取り上げられました。
ラッセルとミルの哲学は、現代が抱える問いに合っているんです。例えば、ラッセルは講演会が嫌いで、会の前には病気になりたいと思っていたほどでした。でも、「失敗しても宇宙の法則は何ひとつ変わらない」と思うことで緊張を解いたそうです。ビジネスパーソンにハマりそうじゃないですか。
ミルの著書はまさにダイバーシティ的なことを予測しているので、今の時代にピッタリです。
ほかには、ニーチェが片思いしていたルー・ザロメという女流作家が個人的に好きです。当時は「ミューズ」という知やインスピレーションをくすぐる女性を囲むサロン文化があったので、ミューズとなった女性が描く文章も面白いですね。
――最後に原田さんにとって哲学とはどのようなものですか?
原田 みなさんどんな未来があるか、ある程度予測しながら生きていっていると思います。でも、人生は想像していなかったことや理不尽なことの方が明らかに多いんですよ。
そんなときに、理不尽を嘆くのは簡単。でも、嘆いたところで結局は自己責任なんですね。だから、そんなときの“心のお守り”が私にとっての哲学といえますね。
本書を読み通して、筆者が気に入った言葉は、8月28日の「旅において出会うのはつねに自分自身である」(三木清)と1月10日の「選ばなくてもやはり選んでいるのだ」(サルトル)だった。人生に思い悩むときはたくさんある。だが、すべては自分自身が選び取った結果の積み重ねでしかない。
しかしながら、悩んだときに、ある選択肢を後押ししてくれるような哲学があれば、人生は豊かなものになるだろう。そんなあなたの人生にそっと寄り添う“お守り”として本書を手にとってみるのはいかがだろうか。
原田まりる
1985年2月12日、京都府京都市生まれ。作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター。京都の「哲学の道」近くで育ち、高校時代から哲学書に深い関心を寄せる。大学在学中から、レースクイーン、中野風女シスターズ、風男塾などの芸能活動で人気を博す。2014年『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)で作家デビュー。小説『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社)がヒット作となる。
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