ヤバすぎる哲学書『生まれてこないほうが良かった』
【反出生主義】ヤバすぎる哲学書『生まれてこないほうが良かった』が日本上陸! アンチナタリズムから哲学を楽しもう!(小島和男准教授)

「(人間を含むすべての感覚のある存在者は)生まれてこない方が良かった」とする「反出生主義」を提唱する過激な哲学書が話題になっていたことがある。南アフリカ共和国のケープタウン大学教授であるデイヴィッド・ベネターが2006年に出版した『生まれてこないほうが良かった 存在してしまうことの害悪』である。2017年10月には待望の邦訳が出版された。翻訳を手がけた学習院大学の小島和男准教授に話を聞いてみた。【第1回はコチラ】、【第2回はコチラ】
――本書に関する議論は海外ではどのくらい盛り上がっているんでしょうか?
小島和男准教授(以下、小島) この本は2006年に出て、2012年に海外の雑誌でも特集が組まれたりしましたが、今はいったん落ち着いていると思います。「子供を作るのは常に倫理的に許されないことである」という議論の代表的なものとして存在している、という感じですね。
それで、2017年にベネターはThe Human Predicament: A Candid Guide to Life’s Biggest Questions(『人間の苦境:人生最大の諸問題への率直な手引き』未邦訳)を出したんです。この本でも同じやり方で人生の意味とか価値を考えていこうとしています。哲学という分野に所属している人間としては、そうした形でベネター先生には研究をどんどん進めていって欲しいです。で、僕ではないもっと優秀な人がどんどん翻訳してくれれば嬉しいです。
なぜ生きるべきか、どう生きたらいいのか、っていうのは我々が哲学で本当に考えたいような問題じゃないですか。でも、例えばプラトンを読んでみても、「ソクラテスみたいには生きられないよな」って思ってしまうと思うんです。そういう意味では、ベネターにはそういう問題をそのまま考えられるような土壌があるので、興味がある人には入りやすいところなのかなと思いますね。ちなみに、私の研究しているアプレイウスという男はその点ですごくマッチョです。「ソクラテスみたいに生きられないなんて言わずにソクラテスのように生きられるように努力しろ! やれ! できないのではない、やろうとしていないだろう」ですから。そんなのもカッコいいな~とは思うのですが。

――本書はどんな人に読んでもらいたいですか?
小島 これはもちろん、人生に疲れた人が読んで勇気を出すような本ではないです。そこのところはぜひ誤解を解いておきたいと思います。自分の境遇が悪くて死にたいと思っている人の後押しみたいにはなってほしくないので。そういうのとはやっぱり違う話ですから。あくまでも哲学史の流れの中で出てきた本なので。
むしろ、純粋に知的な好奇心を刺激する面白い本だと思います。たとえば、高校生が倫理の授業を受けて、カントの定言命法(※)の考え方が面白いなって思ったら、その後でこれを読んでほしいですね。大御所の哲学者の議論を知った後にこれを読んだら、「こんなのもあるんだ~」って、相当楽しめるんじゃないかと思います。
(※)普遍的で無条件な命令。カントが挙げている例の1つは「嘘をつかないこと」。これは「(何がなんでも)嘘をついてはいけない」という命令であり、常に遵守しなくてはいけない。それができることに人間の自由がある!?
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