19世紀フランスの精神病院で撮影された女性患者5名の写真に衝撃! どんな病気も「ヒステリー」と診断、強制収容&子宮摘出
■現代には存在しない“ヒステリー”患者
当初シャルコーは、ヒステリーは患者の遺伝的素因によって起こる神経障害であると信じていた。しかし晩年の1890年代になると、ヒステリーはトラウマによって引き起こされる心理的疾患であると結論付けた。そしてシャルコーは、男性にはヒステリーはめったに見られないという医学的偏見に対し、強く反対した。
彼はまた病気の患者を観察し、治療するために論争の的であった催眠術を使った。
「ヒステリーの女王」として知られているマリー・ブランシュ・ヴィットマンは、シャルコーの最も有名なヒステリー患者で、彼は毎週行われる講義で彼女に催眠療法を施し、彼女のヒステリー症状を聴講生に示した。シャルコーの講義を聞くためにヨーロッパ中から学生が訪れたが、その中には精神分析の創始者であるフロイトもいた。
医学事典によれば、現代では「ヒステリー」という病名は存在しない。シャルコーの唱えたように「トラウマ(心的外傷)への防衛として、自己同一性を失う神経症の一種」と説明されている。しかしビクトリア朝時代では、女性が性的欲求を持つことも、顔の筋肉のけいれんもパーキンソン病も全て一律に「ヒステリー」とされ、精神病院に閉じ込められたり、子宮を切除されてしまったのだから恐ろしい。写真の暗鬱とした表情の女性患者たちのほとんどは、名前さえ残っていないが一体どんな人生を送ったのだろうか。
参考:「Daily Mail」、ほか
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