祠やお稲荷さまの「墓場」を青森県で発見! 取材中に謎の男と遭遇し、トンでもなく不吉な事態に…!

祠やお稲荷さまの「墓場」を青森県で発見! 取材中に謎の男と遭遇し、トンでもなく不吉な事態に…!の画像5撮影=酒井透


 その霊堂からは、何とも言えない霊気のようなものを感じたが、埃まみれになっている扉を開けた瞬間、言葉を失った。陶器製の稲荷さまの置物や鏡のようなものが置かれている祭壇の脇に、喪服を着た老婆の写真が掲げられていたのだ。その隣には、この老婆と思われる女性の名前が記された賞状もあった。しばらくすると、背広の男性が戻ってきた。

「まだ写真を撮っていたのかね……。怖くないのかナ。そんなに興味があるのならいいことを教えてあげよう。ここに掲げられている老婆は、この霊堂の主だった方だ。オガミヤをやっていたが、ずいぶん前に亡くなった。でも、まぁ、ここは長居しない方がいいよ……」

 背広を着た男性は、それだけ言うと今度は拝殿の方へ向かって行った。彼の言動からは、この周辺の状況にかなり精通していることが伺えた。

 霊堂の中には、実に様々なものが残されていた。占いのときに使っていたと思われる小石、今でも使えそうな太鼓、モノクロの写真……。祭壇には、様々な神さまが祀られていた。これはあくまでも推測に過ぎないが、オガミヤをやっていた老婆が亡くなった後、霊堂の処分に困った家族がここに持って来たのではないだろうか。

 

祠やお稲荷さまの「墓場」を青森県で発見! 取材中に謎の男と遭遇し、トンでもなく不吉な事態に…!の画像6撮影=酒井透


 「高山稲荷神社」から戻った日の夜、何かに取り憑かれたような夢を見た。一人の老婆が、川のほとりをトボトボと歩いていた。慌てて目を覚ますと、全身に汗をかいていた。民宿にあった体温計で測ると39度の熱が出ていた。

 今、改めて振り返ると、背広を着た男性は、何らかの意図を持って自分に近づいて来ていたのではないだろうか。あの霊堂を見せることによって、老婆が背負っていた『因縁』を背負わそうとしていた可能性も考えられる。だが、心配はない。あの霊堂に近づく前、自分の体に塩を撒いておいたのだ。このような場所に来るときは、それなりの覚悟をしておく必要がある。万一、そのようなことをしていなかったら、もっと大変なことになっていたことだろう。

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文・写真=酒井透

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