イギリス政府はネッシーの実在を隠蔽していた!? すでに発見・保護している可能性とは?

■“ネッシー保護法”が制定された理由は?

 しかし、その後もネッシーが発見されることはなく法律の必要性もなかったのだが、それでも目撃証言は散発的に相次いでいた。

 1960年代に入って、これに見かねたエディンバラ公フィリップ王子は英海軍にネス湖の徹底的な調査をすることを提言。こうしてネス湖の調査が一時期に頻繁に行われるようになったのだが、それでもネッシーの発見には至らなかった。

 しかしサッチャー政権の1979年、再びネッシー探しの機運が盛り上がることになる。当局はなんと数匹のイルカに探査機器を装着してネス湖に放つという画期的な調査活動に打って出る。

 そしてその2年後、1981年になんと40年越しにマードック・マクドナルド議員が提案した野生生物保護法が制定されたのだ。なぜこの時期になって制定されたのか? YouTubeチャンネル「All Time Conspiracies」は、これは当局がついにネッシーを発見した証しであると指摘している。とはいえイングランドとスコットランドの摩擦を避けるためにも、その事実は秘密にされたということだ。

【衝撃】イギリス政府はネッシーの実在を隠蔽していた!? すでに発見・保護している可能性とは?の画像4ネス湖 画像は「wikipedia」より

 唐突とも思える法律の制定がなされてネッシーが発見されたとするのは、やや強引な感が禁じ得ないが、この言い分を後押しするエピソードも残されている。

 1985年にスウェーデン当局から、同国のイギリス大使館に情報提供の要請があったことが記録に残されているのだ。その要請の内容とは、スウェーデン版「ネッシー」と言われるストゥール(Storsjoe)湖のモンスターであるストゥールフュオユーレー(Storsjoodjuret)の保護法制の整備に際して、イギリスがネッシーをどう扱っているのか教えを請うものだったのだ。

 そして実際にイギリス当局からアドバイスを受けたスウェーデンは、その数カ月後にストゥール湖の“絶滅危惧種”に対しての捕獲や殺戮を禁じる保護法を制定している。こうした事実こそか、イギリス当局がすでにネッシーを発見・保護していたことを示す証左であるということだ。

 ネッシーは一生を淡水域で生きる陸封型の首長竜(plesiosaurs)だという説もあるが、その目撃報告の多くは見間違いやヤラセであることが確かめられている。しかしながらそのすべてが検証されているわけではない。イギリス政府がすでにネッシーを“絶滅危惧種”として保護しているとすれば驚くべきだが、ともあれ、こうした経緯があったというのは興味深い限りだ。
(文=仲田しんじ)

参考:「Express」ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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