『バーフバリ』のS.S.ラージャマウリ監督インタビュー! オカルトとSFを熱く語る「私は無宗教」「映画の興行は超自然的存在」

■いつもドラマチックなストーリーを求めている

――監督は、2012年に主人公がハエに転生するファンタジーSF映画『マッキー』を撮られています。今後の作品で、UFOや宇宙人、オカルトを題材にする予定はありますか?

『バーフバリ』のS.S.ラージャマウリ監督インタビュー! オカルトとSFを熱く語る「私は無宗教」「映画の興行は超自然的存在」の画像5©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

監督  私の映画作りは、SFなどのジャンルにこだわっているわけでありません。まずはストーリーありきです。

 もちろんSFは嫌いではありませんよ。私が一番好きなSF映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。同作には「タイムトラベルで母を父と引き合わせないと自分の存在が消滅してしまう」というトラウマを抱えた主人公が登場します。「タイムトラベル」という枠を使って面白い作品に練り上げられているんですね。そんな風に、私はドラマチックなストーリーとは何か、常に考えていますから、もちろん超自然的な力をテーマにすることもあります。

――やはりオカルト分野には、映画の題材になりやすい要素がたくさん詰まっていますからね!?

『バーフバリ』のS.S.ラージャマウリ監督インタビュー! オカルトとSFを熱く語る「私は無宗教」「映画の興行は超自然的存在」の画像6©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

監督  私の映画のうち『マガディーラ 勇者転生』(2009年)、先程の『マッキー』(2012年)は、どちらも「輪廻転生」を扱っています。これらの2作品で、なぜ「輪廻転生」をテーマにしたかというと、ドラマとして成立する要素がとても強いからです。自分の力が及ばないスゴい現象には、みんなワクワクするような憧れがあるでしょう?

 直接UFOや宇宙人を扱う映画を撮るかどうかは別として、今後もドラマチックで興奮できる作品を作りたいと思っています。


■暴力的描写も必要、決して妥協はしない!

『バーフバリ』のS.S.ラージャマウリ監督インタビュー! オカルトとSFを熱く語る「私は無宗教」「映画の興行は超自然的存在」の画像7S.S.ラージャマウリ監督(写真=松本祐貴)

――『バーフバリ』には、指を切り落とす、生首を投げつけるなどの表現もありましたね。監督は今や世界的な存在となり、作品が公開される国もどんどん増えてきています。国によっては、残虐な表現に制限がかかるかもしれません。その点についてはどのようにお考えですか?

監督  私は、映画において暴力的描写も感情を表現する上での一つの手法だと考えています。もちろんストーリーに無意味な暴力シーンを入れることはありませんが、今作での斬首シーンも「首を切ってやりたい」と観客のみなさんが心の奥底で思うほど感情が高まったシーンのはずです。それだけ相手を憎く思えるようにシナリオは練られているのです。

 インド以外の国で表現が問題視される可能性に関しては、私は心配していません。なぜなら、大きなマーケットを意識して、映画作りに妥協を許すことは決してないからです。

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