事故物件で女幽霊に取り憑かれ、自殺青年とも交流した芸人・松原タニシ! 事故物件を取り扱った映画『ルームロンダリング』を徹底解説!
池田エライザ主演の映画『ルームロンダリング』(片桐健滋監督)が、7月7日に公開される。本作は、池田が演じる八雲御子が自殺や殺人が起きた「事故物件」をクリーンな空き部屋へと浄化させる仕事をするなかで、幽霊たちと交流する様子が軸となっている。そんなオカルト女子の御子が、人生初のトラブルや恋に見舞われながらも、自身の家族の問題に向き合い成長していく様子がハートウォーミング・コメディタッチで描かれている。
完成披露試写会には、キャストの池田エライザ、オダギリジョー、渋川清彦、健太郎、監督の片桐健滋、そして、特別ゲストとして“事故物件住みます芸人”として5軒以上事故物件に住み続けている松原タニシが登壇し、その魅力や怪奇現象を解説。トカナはさらに詳しく話を聞くため、松原タニシに単独インタビューした。
■事故物件の幽霊と仲良くする
――映画『ルームロンダリング』の率直な感想を教えてください。
(松原タニシ、以下松原) 厚かましいかもしれませんが、「この映画で1番共感できるのは僕なんじゃないかな?」と思いましたね。事故物件は、一般的に避けられたり怖がられたりするものだと思うのです。でも、僕が事故物件に住んでいる時、恐怖や嫌悪感を克服するためにやったこととは、「すべてをポジティブに捉えよう!」というものでした。たとえば、パンパンと鳴るラップ音や、電気が勝手に点いたり消えたりとか、そういう怪奇現象を「(霊が)僕を気にかけてくれているんだ」と思うようにしたんです。
だって、嫌いな相手に対して、わざわざちょっかいなんて出さないでしょう? だから、興味を持ってくれているのなら、「怖がるよりも幽霊と仲良くした方がお互い楽なんじゃないかな」と考えたんです。だから、事故物件で幽霊と共存する女性を描いたこの映画は共感ができるんです。
――確かに、本作では主人公の御子が、事故物件に住む幽霊を怖がるでもなく、受け入れて普通に同居しています。松原さんも、事故物件に住み続けるうちに、怪奇現象が怖くなくなったということでしょうか。
松原 そうですね。実際に本当に怖くなくなりました。幽霊だからって全員が全員、怖がらせようとしていたり、恨み辛みを訴えようとしていたりするとは限らないんじゃないかなと思うんです。「こちらが良い方向にとらえることで、幽霊に対しても優しい気持ちになれる……」そう思いながら、僕は事故物件で暮らして来たのです。
だから、本作を見た時に、幽霊に対する捉え方が同じだと感じたのです。思わず御子の姿と自分の姿をオーバーラップさせてしまうところがありましたね。また、この映画が一般的な映画と違って、システムが新しいなと感じたところとは、「人が死んで幽霊になる」という陰なものをすごくポジティブに描いていたところです。
■事故物件の幽霊は人間と共に成長する
――死を忌み嫌う必要はないと思いますが、自ら命を断つのは、周りにいる人を悲しませたり迷惑をかけたりするのでよろしくはないと思いますが。
松原 そうですよね。映画に登場する幽霊の中でも、自殺したことを後悔したり、死んでしまったことを残念がるという方々が描かれていましたね。けれど、死んでいるにもかかわらず幽霊たちも心情の変化があったり問題が解決したり成長しているんですよね。
――死んでからの成長が描かれていますよね。
松原 その辺りが斬新ですよね。僕の勝手な思い込みかもしれないけれど、見ていてすごく希望が持てるというか。扱っているテーマは重たいかもしれませんが、どこか明るさが感じられるんです。コスプレOLの幽霊が登場するシーンがあるんですけれど、怖いかと思いきや、ちょっとBGMがポップだったりとか(笑)。なので、こっちも怖がれないという……。
――本作の見どころはどこだと思われますか?
松原 映画の持つ雰囲気のせいかもしれませんが、登場人物がほぼ全員、前向きなところですよね。
――ただ、御子はネクラという設定ではありますよね。
松原 でも、それは仕方がないですよね。幼い頃に父親と死別し、母親が失踪といった複雑な家庭環境で育って来た子ですから。それでも彼女は、根はいい子だというのが伝わります。幽霊たちを無視せずにしっかりと存在を認めてあげている。そこに御子のハートの温かい部分が感じられましたね。
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2024.10.02 20:00心霊事故物件で女幽霊に取り憑かれ、自殺青年とも交流した芸人・松原タニシ! 事故物件を取り扱った映画『ルームロンダリング』を徹底解説!のページです。オダギリジョー、松原タニシ、ルームロンダリング、池田エライザなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで