事故物件で女幽霊に取り憑かれ、自殺青年とも交流した芸人・松原タニシ! 事故物件を取り扱った映画『ルームロンダリング』を徹底解説!
■自殺したオタク青年の霊を呼んだ話
――松原さんは今も事故物件にお住まいなんですね。
松原 はい。今、関西と関東に家を借りて住んでいます。関西は3LDKで3万円、関東は最近借りたのですが、新宿にあって12畳1Kで6万円です。
実は最近、「私の弟が自殺した事故物件を見に来てください」という女性の方からの依頼があったんです。姉であるその女性は「なぜ弟が亡くなったのかをまだ理解できていない状態だからこそ、弟に会って話を聞いてみたい。タニシさんに来てもらえば、弟に会えるんじゃないかと思った」と言われました。
弟さんは、22歳という若さで自室で首吊り自殺をされたんですが、ゲームとかアニメ、そしてヒーロー物が大好きな方だったそうです。その時、亡くなった弟さんとたまたま同い年の後輩芸人がいたんです。そいつもアニメやヒーロー物などが好きなオタクでした。僕は後輩芸人と一緒に、弟さんが自殺した事故物件まで行ったんです。
後輩芸人は、自殺した弟さんの部屋で「今の仮面ライダーは、こんな物を使っているんだぞ」と言いながら、おもちゃの仮面ライダーの変身ベルトを動かしたんです。
女性がそれを見て「ありがとうございます。弟も喜んでいると思います」とお礼を言われました。すると、いきなりお風呂場からピチャピチャという水音が鳴ったんです。事故物件なので、部屋は閉めて使ってないので水道も止まっていました。
なので、不思議に思って僕と後輩芸人と女性の3人でお風呂場まで様子を見に行ったんです。だけど、水道の蛇口から水も垂れていない。おかしいなと思ってお風呂場を出ると、誰もいないはずの弟さんの部屋から仮面ライダーの変身ベルトのジャキーン!ピロンピロン!という音が聞こえて来たんです。勝手に電源が入って鳴ったんですよ。それを見た女性が「弟が触りに来たんです」って言いました。
幽霊の仕業か? たまたまた偶然が重なって起こった出来事だったのか? それは僕にもわかりません。でも、そのことがきっかけでお姉さんは心に整理がついて、手元に置いていた弟さんの骨を納骨することにしたんです。
――松原さんは、“事故物件住みます芸人”だけでなく、霊を降ろす“イタコ芸人”としての新たな境地も開拓しつつあるわけですね。
松原 ははは。僕は事故物件に住んで「これをどうやってお笑いに還元させていくのか?」ということをずっと考えていたように思います。
でもそのお姉さんとお会いした時は、事故物件での経験が初めて人の役に立ったのかな…と思った瞬間でした。それと同時に自分自身の成長も感じたものです。
本作で、御子は視えるから幽霊からいろんなことを頼まれるんですが、何とかしたい気持ちはあっても実際は無理だと最初は思っています。だけど、だんだん御子自身に心境の変化が起こって、自分のやるべきことを見つけていく。そのような、御子が成長していく様子が僕にはすごく共感できるのです。
だから、本作の中で、事故物件に住みながら、成長する御子と姿を重ね合わせてしまうところがあるんです。見ながら「御子ちゃん!もっと頑張れ!」と応援したくなるんです。なので、僕にとっては他人事とは思えない映画でしたね。
――では、最後にトカナの読者に向けてメッセージをいただけますか?
松原 トカナ読者の皆さん、『ルームロンダリング』をぜひ見てください!この映画を見ると「事故物件に住みたい」と思うと感じます。ぜひ、事故物件に住んでみて、もし幽霊が現れたら、僕にその物件を教えてください。次は、僕がそこに住みます!
――ありがとうございました!
これからも事故物件に住み続ける松原タニシ。インタビューをしながら、幽霊だけなく人間に対しても彼のにじみ出る優しさがひしひしと伝わって来た。彼ならきっと幽霊と良いコミュニケーションを取りながら、また新たな恐怖やお笑いを我々に提供してくれるだろう。
映画「ルームロンダリング」は7月7日より全国でロードショー。
●映画情報
『ル―ムロンダリング』
監督:片桐健滋
出演:池田エライザ、渋川清彦、健太郎、光宗薫、オダギリジョーほか
配給:ファントム・フィルム
7月7日より新宿武蔵野館ほか公開
人生こじらせ中の御子の仕事は、事故物件に住んでその履歴を帳消しにすること。
仕事先の部屋に出没する未練タラタラな幽霊たちに振り回されるうちに、周囲の人々も巻き込んで御子に人生初の恋とトラブルが訪れる!?
・http://roomlaundering.com/
●松原タニシ
1982年、兵庫県生まれ。松竹芸能所属のお笑い芸人。他人が気付かないような鋭い視点から編み出されるピン芸人にて舞台・テレビで活躍。さらには、”事故物件住みます芸人”として事故物件に滞在中。日常で発生する心霊現象を日々検証中。数々の不可思議な映像や体験談を持つ。プライベートでも普通の芸人が体験しないような稀有な体験話もあります。2008年「R―1ぐらんぷり2008」準決勝進出。今年6月28日に自身の事故物件に住んだ体験談などを書き下ろした初の著書「恐い間取り」(二見書房)が発売。
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2024.10.02 20:00心霊事故物件で女幽霊に取り憑かれ、自殺青年とも交流した芸人・松原タニシ! 事故物件を取り扱った映画『ルームロンダリング』を徹底解説!のページです。オダギリジョー、松原タニシ、ルームロンダリング、池田エライザなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで