ナイジェリアの聖地「オルモ・ロック」に写真家・酒井透が潜入! 白人を血で呪ったオリシャ(神)の最高聖職者に会って占い体験!
60歳を超えていると思えるこの「聖職者」は、南京錠を外して小さなシュラインの扉を開けると、そこにある高さ40センチくらいの像を見せてくれた。乳児を抱いてミルクを飲ませている女性の像は、目を大きく見開いていて、どことなく気味悪いものを感じた。しかし、それは今まで見たことのないような種類の像だった。その後、オルモ・ロックの真下を1回りしたあと、ウスンラくんが占いをしてもらうことになった。
最高位の「聖職者」が用意したのは、カウリ(子安貝)とザルだった。伝統的な方法に則った占いは、すぐに始まった。「聖職者」は、まずウスンラくんの話を聞いていた。生年月日、生まれた場所、家族構成、仕事、悩みごとなどを質問している。筆者は、ヨルバ語は分からなかったので、同行していた彼の弟に英語に訳してもらっていた。「聖職者」は、ひととおり話を聞くと、彼から受け取ったお布施をザルの上に置いて16個のカウリを投げた。
「パラパラパラ」という音を立ててザルの中に転がったカウリは、6個が裏向きになった。「聖職者」は、カウリをひとつふたつと指で動かしながら出目を読み取っている。これが神様のお告げになっているからだ。ウスンラくんは、ちょっと緊張した様子で成り行きを見つめていた。そして、「聖職者」は、ボソボソとした口調で話を始めると、その話は20分あまり続いた。占いが終わるとウスンラくんが占いの結果を教えてくれた。
「(聖職者から)厳しいことを言われてしまったよ(笑)。自分の場合、長年勝手なことをやり過ぎていたようだ。家庭のことを考えずに仕事に没頭し過ぎていたのがいけなかったんだ。家庭も崩壊してしまったからね。でも、聖職者は、『これからは、運気が訪れる』、『今までの経験が生かされるときがくる』と言ってくれたよ……」(ウスンラくん)
オルモ・ロックに常駐している最高位の「聖職者」は、ナイジェリアの州政府から聖職者としての認定状が付与されている。これは、どこにでもいるニセモノの聖職者と区別するためのものだ。近年、ナイジェリアでは、「聖職者」を名乗って荒稼ぎする人が増えている。政府は、ナイジェリアの伝統に根づいた信仰と聖職者を守るために認定状を発行している。
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2024.10.02 20:00心霊ナイジェリアの聖地「オルモ・ロック」に写真家・酒井透が潜入! 白人を血で呪ったオリシャ(神)の最高聖職者に会って占い体験!のページです。アフリカ、呪術、ナイジェリア、オルモ・ロックなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで