ドラッグを愛用していた超有名“ジャンキー哲学者”5選! トリップで思考変化、キメながら著述… 「最高の経験だった」告白も
意識高い系ウェブサイト「Big Think」(7月23日付)が、ドラッグの摂取経験がある5人の偉大な哲学者を紹介している。
■ジャン=ポール・サルトル
20世紀に活躍した最も偉大なフランス人哲学者の1人であるジャン=ポール・サルトル。ドイツの哲学者エトムント・フッサールが創始した現象学をベースに独自の存在論を展開した『存在と無』は哲学的古典として今も重要な位置を占めている。
そんなサルトルも若い頃には、実在と意識の探究を目的として幻覚剤の一種である「メスカリン」を摂取したことがあるという。大量摂取が裏目に出たのか、後にサルトルは数カ月間も「カニに追いかけられた」と告白している。
普通の人ならば取り乱してしまうような異常な状況だが、フランスの一級教員資格である「アグレガシオン」に主席で合格した秀才は違った。自身が持つ孤独への恐れがカニとして具現化したと解釈したところ、徐々にそのカニはいなくなっていったそうだ。
サルトルは哲学者としてのみならず作家としても活躍した。代表作である『嘔吐』には、ドラッグの影響を取り扱った表現が散見される。特に登場人物が実存的なブレークスルーを経験する際にはそのような表現が目立つそうだ。また、サルトルの戯曲である『アルトナの幽閉者』でカニが登場するのも、彼のドラッグ体験を反映してのことだという。
■ヴァルター・ベンヤミン
ドイツ系ユダヤ人の哲学者ヴァルター・ベンヤミンは、ナチスの追っ手から逃亡中にスペイン・ピレネー山脈で服毒自殺を遂げた不遇の哲学者だ。『複製技術時代の芸術』や『パサージュ論』など、その著作の多くは死後に出版され、名声を得た。
死後出版されたベンヤミンの書物のひとつに『ハシシについて(On Hashish)』がある。これは、ベンヤミンがハシシ(大麻)やアヘンを自ら使用した方法、体験、トリップ中に得た洞察を書き留めたものだ。
ベンヤミンによれば、自身のいくつかの著作はドラッグに直接的な影響を受けているという。たとえば、“陶酔”という言葉が肯定的に語られている『シュルレアリズムについて』はその1つだろう。
■ウィリアム・ジェームズ
米国で初めて心理学を講じたことでも知られる哲学者ウィリアム・ジェームズは、『宗教経験の諸相』や『純粋経験の哲学』などの著作で人間の意識経験を心理的・哲学的に探究した哲学者として知られる。
またジェームズは、幻覚作用のあるドラッグに初めて言及した西洋の哲学者でもある。著書『宗教的経験の諸相』において、意識状態の変成を経験するための実験の一環として“笑気ガス”と言われることもある亜酸化窒素、幻覚作用のあるメスカリンを多量に含むペヨーテ、鎮静剤の抱水クロラール、酩酊作用のある亜硝酸エステルを使用している。
この経験からジェームズは生涯にわたって神秘主義への関心を強めていく。ジェームズは、意識をワープさせることで変成意識として得られる宗教的経験をよりよく掴むことができると考えていたようだ。興味深いことに、ドイツの哲学者ヴィルヘルム・ヘーゲルの著作は、ハイになっている時にしか理解できなかったと語っている。
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2024.10.02 20:00心霊ドラッグを愛用していた超有名“ジャンキー哲学者”5選! トリップで思考変化、キメながら著述… 「最高の経験だった」告白ものページです。哲学者、ウィリアム・ジェームズ、ジャン=ポール・サルトル、フリードリヒ・ニーチェ、ミシェル・フーコー、ヴァルター・ベンヤミンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで