八百長工作、不正流用、もみ消し疑惑… アマ・ボクシング界のドン「暴かれた独裁体制」とは?
――第一線の記者やライター、ジャーナリストなどが取材・執筆する“不都合な真実をえぐり出す”ネットメディア「Real News On-line!(リア・ニュー!:RNO)」より転載。
※ 本記事は、“不都合な真実をえぐり出す”ネットメディア「Real News On-line!(リア・ニュー!:RNO)」で8月2日に掲載されたものです。
ボクシングの権力が集中…… 山根明終身会長とは何者か?
「日大悪質タックル問題」に続き、また一つ、日本のスポーツ界の闇が明るみになった。
先月27日、国内のアマチュアボクシングを統括する団体「日本ボクシング連盟」に対し、役員や元選手ら333人が、日本スポーツ振興センター(JSC)や日本オリンピック委員会(JOC)などに告発状を提出し、大騒動となっているのはご存じだろう。
その告発状の内容とは、試合用グローブをめぐる不透明な独占販売、2016年の岩手国体(インターハイ)における不正審判疑惑、パワハラ、助成金の流用など12項目に及び、総じて日本ボクシング連盟の終身会長・山根明氏への権力集中を告発するものであった。
内容が映像として残っていることからも特に注目を集めているのが、2016年のインターハイにおける不正審判疑惑、通称「奈良判定」だ。問題となっている試合は、奈良県の選手と宮崎県の選手によって争われた決勝戦で、多くの人が勝者は宮崎県の選手だと思う中、奈良県の選手が判定により勝利したのである。山根明終身会長が奈良県出身で、奈良県連盟の元役員だったことから、アマチュアボクシング界では、奈良県の選手を優遇する空気があったという。それが「奈良判定」という言葉で表現され、半ば暗黙の了解と化していたのだ。
告発状では、JSCがリオ五輪代表・成松大介選手に交付した助成金240万円ついて、山根明終身会長が、他の2人の選手と3等分するよう指示したとしている。助成金は税金で賄われており、当然ながら第三者へ譲渡することは認められていない。
試合用グローブをめぐっては、日本ボクシング連盟の検定品以外の使用が認められず、兵庫県内の企業1社のみが検定品の販売店に指定されていた。しかもこの1社というのが、スポーツ用品を一切置いていない喫茶店であり、購入代金の一部を、一時的に山根明終身会長の孫娘の口座に振り込ませていたという。
山根明終身会長を接待する際の「おもてなしリスト」まで流出
さらに、山根明終身会長が各都道府県連盟に対して、スイートルームへの宿泊や豪華な食事などを要求していたとしている。告発状には、全国大会を開催する都道府県が山根明終身会長を接待する際の注意事項を列挙した「おもてなしリスト」が添付されていた。
「おもてなしリスト」の内容は以下の通り。
■ホテルの会長部屋
・ ミネラルウォーター(1ケース=24本)……6本は冷蔵庫へ
※ 銘柄は問わない。愛媛県はサントリーの六甲のお水
・ みかん1ネット・りんご(ムツ)2~3個 高級品
・ ぶどう(デラウエア?) 高級品
・ バナナ1房 高級品
・ メロン
・ アーモンドチョコ(明治)
・ 森永ミルクキャラメル
・ カンロ飴
・ いかみりん
・ 乾パン1缶
・ 麦焼酎(赤シャツ500ml愛媛の銘柄 1本)瓶であること※銘柄は問わない。赤シャツは愛媛県のもの。
・ 梅酒(栄光酒造の蔵元の梅酒720ml 1本)瓶であること※栄光酒造は愛媛県、一般歴なチョーヤの梅酒でもよいとのこと。
・ せんべい詰め合わせ 1缶(のり、サラダ、しょうゆ等の詰合せ)
・ 落花生
・ 剣先するめ
■体育館 会長控室
・ ドリップコーヒー(2種類)20パック
・ お茶パック(緑茶とほうじ茶)
・ 紙コップ
・ カンロ飴1袋
・ その他の飴2種類くらい各1袋
・ せんべい詰め合わせ 1缶(のり、サラダ、しょうゆ等の詰合せ)
・ みかん等の果物
■その他の注意事項
・ 肉……和牛肉しか食べない(豚・鳥ダメ) ハンバーグも合挽きはダメ
・ 牡蠣は生でも何でも食べる(好き)
・ ホヤ貝(大好き)
・ カニ
・ エビ、アワビは食べる……車エビ大好き
・ ゲソ
・ 塩サバ
・ タイやマグロは食べる
・ ウナギやアナゴなど長いものは食べない
・ 冷蔵庫にミネラルウォーターを冷やして置くことと、常温のミネラルも用意
・ 梅酒
・ 麦焼酎
・ ジョニーウォーカー黒
・ 目玉焼き……外はカリカリ、中は半熟
・ ふりかけ……かつおぶし
・ 食べ物、揚げたての物は食べる。
・ 夕食の内容についてはホテル側と要協議、会長だけ別の物を出すことも検討
相談を黙殺した国会議員、さらなる爆弾発言とは?
この一連の騒動について、ロンドン五輪で金メダルを取ったプロボクサーの村田諒太選手は、自身のFacebookでコメントを発表している。
「そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません。新しい世代に交代して、これ以上、自分達の顔に泥を塗り続けることは避けるべきです」(7月27日投稿)
一方で、今月2日には、意味深とも思える以下の文章を投稿。
「夜と霧に出てくる、カポー(同じ収容者でありながら、見張り役など、特別な権利、立場を与えられた収容者)が時にナチス親衛隊より酷い仕打ちをしてきたという話、そのカポーを裁くことが出来るかどうか フランクルの言う、石を投げるなら、同じ状況に置かれて自分が同じようなことを本当にしなかっただろうかどうかと自問してみること
人を糾弾する前に必要なことだと考えています
世の中にはこのカポーが溢れていることを忘れてはいけないなと、改めて思う今日この頃です」(8月2日投稿)
果たして、この言葉が意味するところとは一体何なのだろうか。
この騒動について、さらに、本誌は驚くべき情報を複数キャッチした。実は今から数カ月前、告発者らが橋本聖子議員に対して、告発内容についての相談をしていたというのだ。
橋本聖子議員は自民党の国会議員で、スピードスケートおよび自転車競技の元オリンピック日本代表選手として活躍した経歴を持つ。そのことから、公益財団法人日本オリンピック委員会副会長も務めているのだが、告発者らが橋本聖子議員に相談したものの、行政が動かなかったことから、今回の告発に至ったという。
協会関係者によると、告発状を作成した「日本ボクシングを再興する会」は今月8日、都内で会見を開くとしている。そこでは、今回の告発内容を超える、さらなる〝爆弾発言〟が飛び出すという。これ以上、驚くべき事実はあるのかと思うほど、今回の告発内容はすさまじい内容となっているが、どのような内容が明かされるのか。
「いくらでも大金を積むから、なんとかもみ消してくれ」
「実は日本ボクシング連盟は、まだ公になっていない大きなスキャンダルを抱えているんですよ。先日、連盟側が某週刊誌に対して、『いくらでも大金を積むから、なんとかもみ消してくれ』と頼んだそうですよ」(大手週刊誌記者)
もみ消す――。
隠蔽工作図ったことで、自体は更なる悪化を引き起こしたのは、他でもない日大アメフト部の関係者らである。日本ボクシング連盟は告発内容を受けて、公式HPに反論の文章を出すもののすぐに削除するなど、その対応は潔いとは言えない。
日大アメフト部の悪質タックル問題に続き、また一つ、日本のスポーツ界の闇が明るみになった。共通するのは、異を唱える者は排除される独裁体制である。声を上げることが決して許されなかったゆえ、この時代遅れの古き悪しき体制は、多くの人が知りつつも、改善されることなく長きにわたり続いてきた。
そうした時代遅れの体制も、やっと一つ一つ暴かれることになってきたところを見ると、やはり時代は変わってきた。
(文◎朝比奈ゆう)
※ 本記事は、“不都合な真実をえぐり出す”ネットメディア「Real News On-line!(リア・ニュー!:RNO)」で8月2日に掲載されたものです。
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