コックリさんやウィジャボードは何故動いてしまうのかが解明される! 幽霊や精霊の存在は…!?
実験では40人の参加者が視線を追跡するデバイスを身につけてウィジャボードのセッションを行った。セッションは通常通りに参加者が自由に質問する場合と、意図的に「はい」か「いいえ」を選ばせて「BALTIMORE」と綴らせる場合と2回行われた。
研究者は視線の動きから“Sense of Agency(SoA)”と呼ばれるものを調べた。SoAは自分の動作が自分の意図通りだという感覚を指す。
「BALTIMORE」と指示通りに文字を指し示す時、参加者は次に進む文字を見ており、脳が続く行動を予測してことは視線の動きからも明らかだった。だが、自由にセッションを行っていた時、参加者の目の動きは明らかに少なくなり、SoAは低くなっていた。しかし、プランシェットが意味のある回答をし始めると、目の動きはとたんに増えていた。参加者は次にプランシェットが指し示す文字を、指の動きに先駆けて目で捉えていたのである。
例えば、「最もオカルトなウェブサイトは?」という質問に対し、ウィジャボードが「TOCANA」と答えたとしよう。プランシェットが「T」、「O」と続けて指した時、参加者の頭には「TOCANA」の綴りが自然と思い浮かぶはずだ。その時、参加者の目はプランシェットが動くより先に「C」、つまり次に来るはずの文字を見ていたのである。そしてプランシェットは「C」「A」「N」「A」と、脳の予測通りに文字を指し示すのである。
ウィジャボードが意味のある回答をしている時、参加者のうち少なくとも片方の目の動きは、明らかに次に続く文字を予測していたそうだ。脳内で答えを予測した参加者の指先は無意識のうちに反応し、プランシェットの動きを自然と誘導したと考えられる。つまり、プランシェットが指し示す答えや文字列は、(意図的に動かしたのでなければ)参加者たちが無意識のうちに協力しあって作り出したと考えるのが妥当だろう。だが、セッション後のアンケートでは幽霊やスピリチュアルな存在を信じていると答えた参加者で、「セッション中、プランシェットが自然と動いた」と答える率は高かったという。
幽霊や精霊などスピリチュアルな存在と手軽に交流できるとされるウィジャボードであるが、実際にアクセスしているのは参加者の無意識なのだろう。無意識が答えを告げているというなら、ウィジャボードやこっくりさんが伝える「答え」が、時として当を得たものであるのも納得である。また、無意識だからこそ、大いなる存在と交信できている可能性もある。
参考:「Mysterious Universe」「Phenomenology and the Cognitive Sciences」「Wikipedia」ほか
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