LHC実験で「地球が直径100メートルに縮む」可能性! 宇宙規模の大災害に発展か… 科学者がCERNにガチ警告!
粒子加速器が地球をサッカー場ほどの超高密度な球体に変えてしまうかもしれない――イギリスの有名宇宙物理学者の主張が話題となっている。英紙「The Telegraph」(9月29日付)などが報じている。
■LHCで宇宙規模の災害が起こる!?
粒子加速器の事故が地球を、ひいては宇宙までをも滅亡させてしまうという仮説は以前より存在し、トカナでもお伝えしている(詳しくはこちらの記事)。科学者の間でも意見が分かれる仮説なのだが、イギリスの高名な宇宙物理学者で王室天文官も務めるマーティン・リース氏が、今月24日に発売する新著『On the Future: Prospects for Humanity (Princeton University Press)』の中で、粒子加速器の事故について“地球が直面する脅威の一つ”として取り上げたという。
著書の中でリース氏は、粒子加速器の事故が起きてストレンジレット(ストレンジ物質)が生成された結果、「ブラックホールが形成され、周囲のすべてを吸い込んでしまう」可能性と、「地球が直径100メートルほどのサイズ超高密度な球体になってしまう」可能性を提示している。
ストレンジレットとは暗黒物質の候補の一つでもある仮想上の粒子で、現在のところ実在は確認されていない。だが、CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)などの実験で生成される可能性が指摘されており、過去にはこれを理由にLHCの稼働停止を求める訴訟も起きている。もちろん、CERN側はこのような危険はないと主張している。
さらに、リース氏はLHCのような粒子加速器が「宇宙を巻き込む大災害」を引き起こす可能性も指摘する。粒子が衝突する際に生成されるエネルギーが“相転移”を引き起こし、宇宙空間を引き裂いてしまうというのだ。相転移はビッグバン直後の宇宙にも起きたとされ、宇宙の状態を大きく変えてしまったとされる現象だ。ただし、リース氏は宇宙空間では加速器より遥かに高いエネルギーの粒子が衝突することも珍しくないことも同時に指摘している。
リース氏は加速器のリスクを提示するが、実験をやめるべきだとは言わない。「イノベーションはしばしば危険だが、リスクを取らなければ利益も逃してしまう可能性がある」とし、科学の進歩にはリスクがつきものだとする立場を取る。とはいえ、新たな挑戦をするときは慎重にやるべきとも指摘しており、研究者らに例え非常に小さなリスクだとしても無視すべきでないと警告を発している。
科学技術の進歩は喜ばしいが、地球、ひいては宇宙までをも破滅させるようなことはあってはならない。リース氏の主張するように、どうか慎重にことを進めていってほしいものだ。
参考:「Yahoo! News」、「Princeton University Press」、「Science Alert」、ほか
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