「イスラム国」が完全復活中とプーチンが緊急警告「700人が人質に取られた」「毎日10人処刑、要求のまないと続く」

 ここからは推測になるが、次のような可能性があるだろう。

 まず、シリアを巡って、両国は真っ向から対立していることを思い出していただきたい。米国はシリア反体制派であるクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」を支援しているのに対し、ロシアはアサド政権側を支援している。

 こうした緊張関係のなか、今年2月には、米軍主導の有志連合がシリア政権側の部隊を爆撃した際に、ロシア国籍の民間人も複数人死亡したと報じられた。プーチン大統領のはらわたはさぞ煮えくり返ったことだろう。

 そして、ロシア人の命を奪った米国主導の空爆は今も続いている。たとえば、露紙「スプートニク」(10月19日付)によると、デリゾールでも米国主導の有志連合による空爆が複数回行われ、一般市民の犠牲者まで出ており、13日には同じく米国主導の有志連合が、国際条約で禁止されている白リン弾をハジンで使用したという。

 こうした米国主導の空爆に対し、体制側であるシリア軍は、「米国は罪もない一般市民を攻撃することで、ISを支援している」と怒りを露わにしているそうだ。この怒りはプーチン大統領の怒りでもあるだろう。

 実際に700人の難民がISの人質になったかは分からない。だが、プーチン大統領にとって米国のシリア空爆は「ISへの支援」に等しいことであり、シリア難民を窮地に追いやっている元凶ということだろう。

 まとめよう。今回のプーチン大統領の発言は、「米国主導の有志連合がISを支援しているせいで、難民が殺されている」というアメリカ批判の可能性があるということだ。ただ、あくまで推測に過ぎないことは断っておきたい。

 とはいえ、本当に700人の人質がいるとしたら大問題だ。ただ、問題解決のためにもプーチン大統領には、一刻も早くIS側の要求を具体的に述べてもらう必要があるだろう。


参考:「Straits Times」、「Express」、ほか

TOCANA編集部

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