【実録】ボロ雑巾のような死骸…「ペット虐待物件」の闇を不動産執行人が語る! 事故物件よりもウツになる「暗黒物件」シリーズ

 執行直前に債務者から入った電話は、大切にしている多頭飼いのペットがドアを開けたタイミングで逃げ出さないようにとの注意喚起かと思われていたのだが、どうやら意味合いが違ったようだ。

 玄関先から散乱が続くペットの体毛を目で追う限り、1階奥の部屋が最も荒れ方の激しい核心部に思える。そこにはかつて大切に扱われていたペットたちが軟禁されている可能性が高い。

 床の状況から見て各々が執行後に捨てることになるのであろうスリッパに履き替え室内へ。

 案の定奥へと進むに連れ軟禁状態にあるペットたちの糞尿が増えており、床板は尿による深刻なダメージを負っている。

 1階奥の部屋の扉は「どうぞどうぞ」とどこかのお笑い芸人のネタのように一番下っ端の私が開けるハメに。

画像は「gettyimages」より引用

 恐る恐る扉を開くと、一層酷い臭気とともに空気中に舞う埃やペット由来のハウスダストが呼吸を難しくさせる。

 空気の悪さで確認が遅れたが、どうやらこの部屋はリビング・ダイニング・キッチン、いわゆるLDKのようだ。

 ペットネグレクト(飼い殺し)は、いわゆる暴力的な虐待やそれに伴う虐待死と異なり、室内で飼育が放棄されている事案のため発見が難しい。

 LDKを見渡すと、ペットたちが脱走を試みたためかキッチン側に設けられた通気口付近の壁が爪で深く抉られていたが、残念ながら外へと通ずる前に力尽きてしまったようだ。

 激しいストレスもあったようで、天井にまで転倒防止金具が設けられていたキャットタワーも倒され、壁にも高くまで飛びついた爪痕が残る。

 そして、かつては家族同然に扱われていたのであろうペットが、使い古したボロ雑巾のような死骸となり、既に寝床と一体化していた――。

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