【マネーの怪談】本当に怖い「幸せのクレジットカード」! キャバクラ、裏社会…売れない芸人から譲り受けたカードを使った男の末路

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1811creditcard-1.jpg画像は「Getty Images」より引用

 知人から聞いた、本当にあったお金にまつわる怖い話。

「ごめん、どうしてもあの3万円、返せないんだ」

 売れない芸人のタツオはもう何十秒も頭を下げている。

「返せないって言われても、俺も困るし」

 ケンジは困惑した顔でタツオを説得にかかる。同じブラックな飲食店で働くお金の無い者同士、自分だって3万円が返ってこないのは痛い。来週、給料日が来ても、口座に振り込まれるお金の半分はワンルームマンションの家賃で消えてしまう。とはいえお笑いと掛け持ちで、あまりシフトに入ることができていないタツオの給金は数万円が振り込まれればいいところだろう。

 散々っぱら押し問答が続いたが、お互い暗い気持ちになっただけで別れた次の日、タツオが「これで勘弁してくれないか」と言って一枚のクレジットカードを差し出してきた。知らない男の名前が書いてある。

「先輩芸人のNさんの付き人をやってたときに渡されたカードなんだ」

 とタツオが言う。Nは昔ヤンキーだったエピソードで売りだした売れっ子芸人だ。毎晩、後輩芸人やグラビアアイドルを集めて飲んで騒いで、後は自分のクレジットカードを渡してある付き人が支払いを済ませる。タツオは一昨年に付き人をクビになったのだが、ルーズなNはカードを回収せずにそのままにしている。

 カードの有効期限はまだ2年あって、タツオは本当に生活が苦しくなるとドンキで数千円分、カップ麺などを買ってそのカードでこっそり支払うのだという。毎月何百万円のギャラが口座に振り込まれるNなので、タツオが使い込んだカードの支払いなど気づいてもいないらしい。

 最初は困惑してカードを受け取ったケンジだったが、そのカードのおかげで結構幸せな生活が送れることにすぐ気がついた。カードの名義はNさんの本名で、まあありふれた普通の名前だ。その名前でお店を予約して自分の字でサインするか4ケタの暗証番号を教えられたとおりに入力すれば支払いはそれで済んでしまう。

「少しずつ、使えよ。くれぐれもNさんに気づかれんようにな」

 最初はタツオに言われたペースでケンジの月1回のささやかな豪遊が始まった。

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