『ヘレディタリー/継承』ガチ怖すぎ、設定ヤバすぎ、最高すぎ!! これほど二度観たくなるホラー映画はない!

●グラハム家全員が絶妙に不気味

『ヘレディタリー/継承』ガチ怖すぎ、設定ヤバすぎ、最高すぎ!! ここまで二度観たくなるホラー映画はなかった!の画像3画像は、『へレディタリー/継承』

 この映画のポイントは、よくあるホラー作品で多用される、音をバンッと出したり、急に顔がドアップで映ったりするなどの「ビックリ系」演出がある時点まで一切ないことだ。すべてが物語の流れの中で淡々と進んでいくのに、それが怖い。もう、ずっと、全部不気味で終始心をザワザワさせながら見なければいけない。誰しも経験があると思うが、古い家を1人で歩いている時、何が起きているわけでもないのにずっと怖くて、ビクビクしている感じ。この感覚が2時間以上続いて、最後にカタルシスすら得られるほどの怒涛の恐怖がやってくる。

『ヘレディタリー/継承』ガチ怖すぎ、設定ヤバすぎ、最高すぎ!! ここまで二度観たくなるホラー映画はなかった!の画像4画像は、『へレディタリー/継承』

 特筆すべきはやはり、脚本の素晴らしさだろう。別にホラー映画にしなくとも人間ドラマとして十分通用するほど、登場人物それぞれの設定が緻密に計算されているため「家族のしがらみ」や「心のすれ違い」を深くえぐることに成功している。さらに、家の内装や、主人公のキャラなど、すべて破綻することなく、説得力をもった“最高の恐怖”の連続を生み出すことができているのは、やはり設定の強度が高いからだ。特に、主人公の職業である「ミニチュア模型アーティスト」という設定はボディブローのように効いてくる。

 さらに言えば、『ヘレディタリー/継承』は最後にどんでん返しがあり、すべての話が最後の伏線に繋がっていることは、触れ込みでも明らかになっているのだが、別にどんでん返しがなくても、十分怖くて深い作品なのである。もちろん、あのどんでん返しは、誰もが騙される衝撃のラストであるがゆえに「二度見たい」と思えるわけだが……。

『ヘレディタリー/継承』ガチ怖すぎ、設定ヤバすぎ、最高すぎ!! ここまで二度観たくなるホラー映画はなかった!の画像5画像は、『へレディタリー/継承』

 そしてそして、素晴らしいのが、出演者の演技。まさに「画面にいるだけで怖い系」の人が約2名登場し、この映画の強烈なフックとなっている。『シャイニング』も、主人公の女性が「いるだけで怖い系」で、作品の怖さを倍増させていたと思うが、『ヘレディタリー/継承』も同様で、これがもう、たまらなく怖いッのだ。実は、『ヘレディタリー/継承』がオーストラリアで公開される前、子どもたちに人気の最新映画『ピーター・ラビット』を上映中の映画館が、本編開始前に誤って『ヘレディタリー/継承』の予告編を流してしまうという事件が起きた。その時、親子連れの観客が大パニックとなり「早く映画を消せ! 消せ!」と怒号が飛び交ったそうだが、たしかに、あの役者たちの顔を見ただけで子どもたちは発狂するだろう。

 怖い怖い言い過ぎかもしれないが、『ヘレディタリー/継承』は間違いなく怖い作品で、ホラー映画の最高傑作の一つ。そして、恐怖を求めて彷徨うホラー映画好きたちにぜひとも観ていただきたい作品なのである。
(文=編集部)

【映画情報】
『ヘレディタリー/継承』
公開日 2018年11月30日
監督:脚本:アリ・アスター
出演:トニ・コレット ガブリエル・バーン アレックス・ウォルフ ミリー・シャピロ アン・ダウド
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ
配給:ファントム・フィルム
制作国:アメリカ(2018)
年齢制限:PG-12
上映時間:127分
11月30日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
公式サイト:http://hereditary-movie.jp/

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