新潮45の“ウンコ過ぎたLGBT議論”を東大教授・三浦俊彦が分析！ 杉田論文の本当の読み方はこうだ！

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杉田水脈　画像は「Twitter」より引用

　実害について杉田論文は、「ＬＧＢＴそれ自体は無害、ＬＧＢＴ支援は有害」って立場でした。刑法上の売春や自殺の扱いと同じってことですね。行為当事者はお咎めなし、斡旋／幇助／教唆は有罪。

　ＬＧＢＴを助長することのマイナス面といえば、杉田が懸念した少子化と並んで、ＧＢとＨＩＶなど性感染症の宿業的関係が必ず持ち出されます。ただあれは行為そのものの善悪が問われるような事柄ではないですね。

　行為そのものがハッキリ実害ありと言える嗜好としては、覗き、露出症、小児性愛……。痴漢を取り上げたのは小川榮太郎論文でしたね。杉田論文に続き大炎上、『新潮45』終了の直接原因となったあの論文。「痴漢こそ悩める性的マイノリティだ、ＬＧＢＴ支援というなら痴漢の触る権利も認めろ」とアジってみせたあれです。

　痴漢常習犯は、窃触障害というれっきとした精神疾患ですが――「あいつらをＬＧＢＴと同列に扱うなんて論外！」と、そう決めつけるのは、思考停止かもしれません。考えてもみましょう、痴漢体験談を「自慢」と受け取る傾向が女子の間で珍しくない現実を。そして実際、痴漢に感応する女子も……ってオイ！　そんな女いるわけないだろ！　とキレかけたあなた。そのステレオタイプ女性観、「多様性」を見くびっちゃいませんか？　女性ったっていろいろですから。モノ扱いされて初めて愛に目覚めるＭ女なんてそこらにいます。その程度の「変態」を白眼視してるようでは、レインボーフラッグの先行きも暗雲の気配……。

画像は「Getty Images」より引用

　いやもちろん、痴漢の被害者がしっかりドＭでwin-win、なんて確率は低かろうゆえ、彼らの迷惑活動は厳しく取り締まらねばなりません。ならば、ＬＧＢＴ支援活動は？　同性婚、性別適合手術＆ホルモン療法の保険適用、性自認に合わせた施設利用など、支援目標はさまざまです。で結果？　女子トイレや更衣室や女湯への強面♂の出入りを黙認せよ……そこで一般婦女子が抱く不安と違和感は、強面♂が抱える性別違和といい勝負なのでは？　痴漢被害の不快感に匹敵するかもしれません。

　女子スポーツ大会で元♂が上位独占、なんてのも日常茶飯事になりました。自転車レースの選手権では、負けて「フェアじゃない」と呟いた女子選手が差別者として糾弾されましたし。これ、女子スポーツを衰退させかねない実害なのでは？

　人権運動もファッションである以上、まあ致し方ないんでしょうね。新鮮味も稀少価値もない〈女性〉が新興ＬＧＢＴに敗れるのは。

文＝三浦俊彦

三浦俊彦

1959年生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学文学部教授。専門は、美学・分析哲学。和洋女子大学名誉教授。著書に『バートランド・ラッセル 反核の論理学者:私は如何にして水爆を愛するのをやめたか』 (学芸みらい社、2019年)、『エンドレスエイトの驚愕: ハルヒ@人間原理を考える』（春秋社、2018年）、『改訂版 可能世界の哲学――「存在」と「自己」を考える』（二見文庫、2017年）など。
Twitter：@tmiura_bot

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