超凶悪事件の犯人を駆り立てたフィクション作品5つ! 銃乱射、兄弟殺し、KKK復興… 『ライ麦畑でつかまえて』も危険な小説だった!?
■小説『ライ麦畑でつかまえて』
J・D・サリンジャーによる長編小説『ライ麦畑でつかまえて』(原題:『The Catcher in the Rye』)が発表されたのは、1951年のこと。青春小説の古典的名作として世界中で読み継がれている同書は、現在に至るまで様々な事件を引き起こしてきた。
特に有名なのが、ジョン・レノンを殺害したマーク・チャップマンとの関係性だ。ジョンを銃殺したマークは、警察が到着するまで歩道に座り『ライ麦畑でつかまえて』を読んでいたという。また、1981年に発生した米大統領ロナルド・レーガン(当時)の暗殺未遂事件では、犯人であるジョン・ヒンクリーが宿泊していたモーテルで同書が発見された。さらに1989年には“レベッカ・シェイファー殺害事件”で逮捕されたロバート・ジョン・バルドの部屋から、犯行に使った拳銃や血まみれのシャツと共に『ライ麦畑でつかまえて』が見つかっている。
■映画『國民の創生』
1915年に公開された無声映画『國民の創生』(原題:『The Birth of a Nation』)は、白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」の復活に一役買ったとされている。1865年に結成された“第1のKKK”は、1870年代に消滅。しかし1915年に「神のお告げを聞いた」というウィリアム・ジョセフ・シモンズによって“第2のKKK”が誕生する。
ウィリアムは、KKKを正義の団体として描いた『國民の創生』の影響で白人至上主義団体を復活させることを画策し、有色人種全体の排撃を主張。1923年にはオクラホマ州だけで2,500件以上の暴行事件を引き起こした。『國民の創生』の“映画の出来”自体は素晴らしく、高い評価を得ている。しかし、KKK復活につながったという“罪”によって「史上最悪の名作」と評され、現代まで語り継がれるようになった。
(文=山下史郎)
参考:「LISTVERSE」、ほか
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