トカナ > 日本 > 連載 > 女のウンコを刺身やステーキにして食べて10段階で数値化 > 3ページ目

女のウンコを刺身やステーキにして食べて10段階で数値化してみた話・調理編【バンアパ原昌和・聖糞飛来通信】

2019.01.22 20:00 文＝原昌和

Xでポスト

女のウンコを刺身やステーキにして食べて10段階で数値化してみた話・調理編【バンアパ原昌和・聖糞飛来通信】の画像3

イメージ画像は「Getty Images」より引用

　直ぐにクレイジーに電話をし、「もしもし？今日お前仕事？」と聞いた。「あー今日仕事っすー！　なんかあったんすか？」と言うので、「お前、今から仕事休んで俺ん家にウンコしに来てくんない？　食うから」と言ったら「ウンコ食うんすかー!?　押忍！　速攻行きまーす！」と快諾してくれた。

　とはいえ、「クレイジーは車も持っていないし、今電話して今から来いと言ったわけだから、到着までは2時間位はかかるよなー……」と思っていた。が、30分後くらいにクレイジーから、「到着しました」と連絡があった。あまりの早さに驚いた。

　マンションの玄関を出ると、クレイジーが何故か車に乗って待っていた。「あれ？　車買ったの？」と聞くとクレイジーは、「レンタカーっすー。なんかジュースとか買ったりするかなー？　と思いましてー」

　この女、「ウンコ」をする為だけに即日仕事を休み、その上で「先輩達の喉の乾きごとき」をケアしようとしているのだ。なんという優しい心の持ち主なのだろうか。俺達は感動に拳を握り締めた。

　この女は、珈琲を飲みながら煙草を吸うと、即クソが出る体質らしく、持参した珈琲を飲み干し「早速しちゃって良いんすかね？」と言うと、タッパーを持って便所に消えていった。

　再び現れたクレイジーが持つ半透明のタッパーは、ソフトフォーカスで薄ぼんやりとしたクソの陰影を写していた。その陰影にヤッちゃんは、「観音様……」と言いながら、人目もはばからず膝から崩れ落ち、粛々と手を合わせていた。

　俺達はこの貴重な「女の観音様」の味を、ヤッちゃんに数値化してもらい、後から味覚チャートに起こそうとしている為、どう食ってもらうか算段を立てた。

　ひとつは、そのまま「刺身」で頂いてもらうとして、もうひとつはフライパンで焼いて「ステーキ」で……などとディスカッションして「観音様」を放置してしまった結果、タッパーの中を確認すると、重力の関係であろうか、「御観音（ごかんのん）」から汁が出て、タッパーの縁に溜まっていた……。

「クソのように汚ねえ……。」

　思わず呟いたが、三品目は図らずとも「生搾り観音汁」となって観音自ら食卓に躍り出て来たのだ。

女のウンコを刺身やステーキにして食べて10段階で数値化してみた話・調理編【バンアパ原昌和・聖糞飛来通信】の画像4

イメージ画像は「Getty Images」より引用

　手袋とマスクを着用し、フライパンと簡易燃料をぶら下げながら真冬の公園に移動すると、早速晩餐の準備に取り掛かった。かなり寒かったが、寒さが臭気を拡散させないのか、タッパーを開けても全くと言って良いほど「観音臭」は感じられなかった。

　まず「刺身」を切り分ける。「ミリッ……」とナイフが油粘土を切るように入っていく。「観音」を切り分けた経験など持ち合わせていないので、なかなか手際良くはいかないが、どうにか切り分ける事が出来た。次に「ステーキ」を焼く為にコンロでフライパンを温め油を敷く。油がサラッとして温まってきた所に「観音様」を馴染ますように滑らせてやると、「ジューッ！」と小気味良い音と、一筋の煙が天に向かって上り始めた。塩胡椒を少々振りかけてやれば完璧だ。

　すると、さっきから「観音臭」を恐れ、フライパンから少し離れた場所に「ウンコ座り」していたキムラが、音と煙が上がったのに全く臭いがしない事に気付いて、マスクを取って「あれ？　全然臭くない。え？　なんで？　全然臭くないんだけど」と言い、しゃがんだ体勢のまま「クンクン……クンクン……」と嗅ぎ確めながら、恐る恐るフライパンの方に躙り寄って来た。ついには「観音様」に目一杯、鼻を近づけて、思い切り吸い込んだ。

　その時、突然風向きが変わり、その立ち上る煙がキムラの鼻の中に全部入った。「御観音と一筋の煙で有線接続状態」に…！

「くせえ！！！」

　と絶叫して後ろにひっくり返ったキムラは、そのまま諸手を上げ、真っ暗な森の中へ駆け込んで行って見えなくなった。

　それから間も無くして、キムラが撹拌した空気のせいで「観音臭」は俺達にも確かに感じられるようになった。

「臭え……！　なんか魚臭え！」と俺が言うと、キャッキャ喜んでいたクレイジーがスッと立ち上がり、挙手をして「あ、あたし昨日、魚食ったっす」

　情報を聞いた瞬間、猛烈な吐き気がした。

（後編に続く）　23日20時配信予定

（文＝原昌和）【原昌和関連記事まとめはコチラ】

女のウンコを刺身やステーキにして食べて10段階で数値化してみた話・調理編【バンアパ原昌和・聖糞飛来通信】の画像5

『Memories to Go』asian gothic label

原昌和（はら　まさかず）
1978年10月17日生まれ。「the band apart」のベーシスト＆ボーカル、作詞・作曲も担当。「the band apart」は、1998年に結成。2001年にシングル「FOOL PROOF」でデビュー。多様なジャンルの音楽を取り入れたハイクオリティの楽曲を次々と生み出している。8枚目となるオリジナルアルバム「Memories to Go」を約2年半ぶりにリリース。近年は、怪談師として活動の幅を広げている。
twitter：https://twitter.com/chinwaki
the band apart HP：http://asiangothic.org/

関連キーワード：the band apart, 聖糞飛来通信

原昌和

1978年10月17日生まれ。「the band apart」のベーシスト＆ボーカル、作詞・作曲も担当。「the band apart」は、1998年に結成。2001年にシングル「FOOL PROOF」でデビュー。多様なジャンルの音楽を取り入れたハイクオリティの楽曲を次々と生み出している。8枚目となるオリジナルアルバム「Memories to Go」を約2年半ぶりにリリース。近年は、怪談師として活動の幅を広げている。
twitter：https://twitter.com/chinwaki
the band apart HP：http://asiangothic.org/

原昌和の記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。