神と出会える「臨死体験瞑想」がヤバ過ぎる! 身体喪失、時空超越、幽体離脱、異世界経験…(ウィリアム・ゴードン教授独占インタビュー)

神と出会える「臨死体験瞑想」がヤバ過ぎる! 身体喪失、時空超越、幽体離脱、異世界経験…(ウィリアム・ゴードン教授独占インタビュー)の画像1ウィリアム・ヴァン・ゴードン博士

 死の淵から生還した人々は時に体外離脱、強烈な光の体験、人生の再体験、神や天使との遭遇など不思議で神秘的な体験を報告する。強烈な臨死体験を経て、人格的・宗教的改心を遂げる人も少なくない。

 一体、臨死体験とは何なのか? それを科学的に解明することは難しい。なぜなら臨死体験は不意に訪れるものであり、実験のために再現することは現実的・倫理的に不可能だからだ。しかし、英・ダービー大学のウィリアム・ヴァン・ゴードン博士によると、熟達した瞑想修行者は意識的に臨死体験を引き起こす瞑想「MI-NDE(臨死体験瞑想)」を行うことができるため、臨死体験を科学的に解明することは可能だという。トカナではすでにその研究内容をお伝えしているが、この度、より詳しい話を聞くためゴードン博士にインタビューを敢行。インタビュー前編では、ゴードン博士の研究・関心とMI-NDE(臨死体験瞑想)について伺った。インタビュー後編となる今回は、臨死体験瞑想の衝撃の体験内容をお伝えする。


――NDE(臨死体験)スケールや他のスケールは一連の質問、アンケートのようなものですが、被験者が嘘をついている可能性もあるのではないですか?

博士 確かに不確実性はありますが、互いに知らない被験者の結果が一定の一貫性を持っている点で、客観性は確保されていると思っています。被験者の中には我々の研究の目的をまったく知らない人もいましたし、また実験で使用したスケールは何百回もの実験で効果が実証されているものですから、可能なバイアスは排除できていると信じています。

神と出会える「臨死体験瞑想」がヤバ過ぎる! 身体喪失、時空超越、幽体離脱、異世界経験…(ウィリアム・ゴードン教授独占インタビュー)の画像2画像は「getty images」より引用

――研究2では、被験者が驚くべきMI-NDE経験を語っていますね。

博士 研究2では、臨機応変に質問内容が枝分かれしていく半構造化面接(semi-structured interview)を行い、被験者の経験についての質的研究を行いました。どのようにして臨死体験を意図的に引き起こすのか、臨死体験中はどのようなことが起こるのか、意識はコントロール状態にあるのか、身体感覚はあるのか、そういった質問を投げかけてみたのです。

 その結果はとても興味深いものでした。MI-NDEはいくつかの局面(フェイズ)を経ることが分かりました。その1つは身体感覚を手放すことです。身体を構成している要素から自由になる段階があります。次に時空を超越していきます。被験者の経験の深さとMI-NDEの持続時間には関係がないことが研究1で分かっていましたが、これはMI-NDEでは通常の時間概念が適用されないためだったのです。

 その他にも異世界に入り込んだり、自分の人生を再び経験したり、亡くなった師に出会ったりした被験者もいましたし、空性(emptiness)を体感したという報告も多数ありました。

 また。通常の臨死体験とMI-NDEの決定的な違いも浮き彫りになりました。通常の臨死体験はコントロール不可能ですが、彼らはMI-NDEをコントロールしていたというのです。身体との微妙な繋がりも維持していたと言っています。つまり、MI-NDEは意識的な経験なのです。


神と出会える「臨死体験瞑想」がヤバ過ぎる! 身体喪失、時空超越、幽体離脱、異世界経験…(ウィリアム・ゴードン教授独占インタビュー)の画像3画像は「Getty Images」より引用

――研究2で最も印象的だったコメントはありますか?

博士 いくつかのコメントは予想していましたが、予想していないものもありました。特に興味深かったのは、彼らは臨死体験の内容にはあまり関心を持たず、臨死体験そのものに関心があるという点です。彼らはMI-NDEによって心(mind)を理解することが重要だと考えているのです。

 たとえば、被験者の1人は次のようなことを話していました。夢は見ている最中はとてもリアルですね。でも、目覚めてしまえば、現実ではないと気付きます。MI-NDEもリアルな夢のようなもので、心が作り出したものに過ぎず、心によってリアルな夢が作れるのであれば、我々が現実だと思っている経験も実は心によって作られているのだと言うのです。


――MI-NDEは心を理解するために行われる瞑想なのですね。

博士 それが第1の目的です。2つ目の目的は死のプロセスを予め経験することです。

――今回の研究は科学的にどのようなインパクトを持つとお考えですか?

博士 今回の研究はMI-NDEの実在を証明した初めての研究です。これにより臨死体験を科学的に調査する道が拓かれました。これまで科学者らは臨死体験中の人の脳をモニターしたいと願ってきましたが、これには倫理的な問題があります。実験のために被験者に死のリスクを負わせるわけにはいきませんからね。

 一方、意図的に臨死経験を引き起こせるとすれば、安全に脳をモニターすることができます。これは人間の心を理解する上で重要な研究になるでしょうし、心の科学的な理解を変える可能性もあると思っています。


――今後の研究についてお教え下さい。

博士 2つあります。1つは今回の実験を多くの被験者でもう一度行うことです。被験者は瞑想熟達者であることは必須条件ですが、仏教徒には限りません。MI-NDE中の脳活動をモニターしたいと思っています。

 もう1つは空性についてです。空性の理解は科学的にも重要だと考えおり、つい最近それに関する研究レポートを提出したばかりです。今後はこちらの研究も進めていきたいですね。

神と出会える「臨死体験瞑想」がヤバ過ぎる! 身体喪失、時空超越、幽体離脱、異世界経験…(ウィリアム・ゴードン教授独占インタビュー)の画像4画像は「getty images」より引用

――最後に瞑想に関するオカルト的な質問をしたいと思います。瞑想修行者に起こった不思議な出来事などご存知でしょうか? たとえば瞑想状態で死んだ僧侶の肉体が死後も体温を保つなど言われていますが……。

 いくつかそういう報告を知っています。ですが、彼ら瞑想修行者にとって神秘的な体験は決して不思議ではないのです。

 非常に熟達した瞑想修行者が死後も肉体を維持することは可能でしょう。これは残された人々へのメッセージなのだと思います。神秘的な状態を見せることで、自分に続いて正しい道を歩くよう促しているのではないでしょうか。死後の教え(teaching after death)と言っても良いかもしれません。

――死してなお教えを説き続けるのですね……。貴重なお話ありがとうございました。

 科学者でありながら、神秘的な現象にオープンなゴードン博士の姿勢に筆者は心を打たれた。現在、世界中で意識のメカニズムを解明するために既存の科学的枠組みを超越しようという運動が少しずつ広がっているが、今回の研究もそうした運動を大きく後押しするものとなるだろう。ゴードン博士の今後の研究に注目したい。
(編集部)

トカナ独占インタビューシリーズ(海外編)

3代目TOCANA編集長
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