「臨死体験」を引き起こす瞑想の存在を徹底解説! 世界の仏教僧を研究した学者ゴードン教授・激白独占インタビュー!
死の淵から生還した人々は時に体外離脱、強烈な光の体験、人生の再体験、神や天使との遭遇など不思議で神秘的な体験を報告する。強烈な臨死体験を経て、人格的・宗教的改心を遂げる人も少なくない。
一体、臨死体験とは何なのか? それを科学的に解明することは難しい。なぜなら臨死体験は不意に訪れるものであり、実験のために再現することは現実的・倫理的に不可能だからだ。しかし、英・ダービー大学のウィリアム・ヴァン・ゴードン博士によると、熟達した瞑想修行者は意識的に臨死体験を引き起こす瞑想「MI-NDE(臨死体験瞑想)」を行うことができるため、臨死体験を科学的に解明することは可能だという。トカナではすでにその研究内容をお伝えしているが、この度、より詳しい話を聞くためゴードン博士にインタビューを敢行。インタビュー前編となる今回は、ゴードン博士の研究・関心とMI-NDE(臨死体験瞑想)について伺った。インタビュー後編では、臨死体験瞑想の衝撃の体験内容をお伝えする。
――ご多忙の中、インタビューをお引き受け頂きありがとうございます。まずはご自身の主な研究と関心を教えてください。
ゴードン博士(以下、博士) 主な関心は瞑想体験にあり、専門は心理学の一分野である「瞑想心理学(contemplative psychology)」と呼ばれるものです。研究テーマは瞑想体験を科学的に解明することです。こういった分野に興味を持った理由は、私が元々仏教僧だからです。今日も朝4時に起きて瞑想しましたよ。
――ご自身も仏教僧だったんですね!
博士 仏教の一派であるテーラワーダ仏教が盛んなスリランカで得度しました。ですが、テーラワーダ仏教徒というわけではなく、世界中の様々な仏教学校やコミュニティで学んできました。日本の禅仏教にも触れたことがあります。
そこで気づいたことですが、仏教には多種多様な宗派がありますが、どれも向いている方向は同じということです。道は違いますが、最終的に行き着くところは同じだと思っています。
――なるほど。そうした理由で瞑想を科学的に研究されているわけですね。今回の研究では、MI-NDE(臨死体験瞑想)を研究されていますが、これはどういった瞑想なのでしょうか?
博士 臨死体験(Near-Death Experience, NDE)は、不意に起こるトラウマ的出来事です。NDEで人々は体外離脱などの不思議な体験を報告しています。しかし、臨死体験は自分で意図的に引き起こせるものではありません。ところが、熟達した瞑想修行者の中には意図的に臨死体験を引き起こせる人々がいるのです。この瞑想法を我々は「MI-NDE」と呼んでいます。
――今回MI-NDEを研究した理由は何ですか?
博士 MI-NDEの研究は臨死体験や精神を研究する上で重要だと思ったからです。MI-NDEは仏教の伝統の中でも言及されてきましたが、これまでそのことを科学的に検証する研究がありませんでした。もちろん瞑想に関する科学的研究はありますが、MI-NDEに関する研究は今回が初めてです。
――今回の研究の内容と被験者について教えてください。
博士 被験者は世界中からテーラワーダ仏教僧、大乗仏教僧、密教僧と幅広い仏教宗派から集めました。最終的に基準をクリアしたのは12人です。MI-NDEを実践できる人はとても少ないので、あまり多くは集められませんでした。
たとえば、20年間瞑想をしていたとしても、その人が熟練した瞑想実践者とは言えません。そこで我々は「NDEスケール(Near-Death Experience Scale)」と呼ばれる臨死体験を判定する上で世界中で広く使われている基準を用いました。
今回の研究は2つの研究から成っています。研究1では、被験者にMI-NDEをする直前と直後にNDEスケールに答えてもらい、年に1回ずつ3年間同じテストを行ってもらいました。
そして、MI-NDEとその他の瞑想経験を比較してみたところ、MI-NDEの経験の方がより霊的に強いものだと分かりました。つまりMI-NDEは神秘的な経験を引き起こすということです。また身体への執着を取り除く効果も認められました。
3年間の実験で被験者のMI-NDE経験が深まっていくことも確認できましたので、MI-NDEは学習することができることも示唆されました。
――今回の被験者にはテーラワーダ仏教僧、大乗仏教僧、密教僧がおり、それぞれの瞑想システムはかなり異なると思うのですが、彼らにとってMI-NDEとは具体的にどんな瞑想を指すのでしょうか?
博士 良い質問ですね。もちろん様々な瞑想法があります。しかし、究極的には全ての瞑想は同じ方向を向いており、どこかで合流すると思うのです。熟練した瞑想修行者は、どこかでそれぞれの瞑想法という伝統から自由になり、より普遍的な真理に遭遇するのです。これは仏教の瞑想に限ったことではなく、他のあらゆる宗教伝統の瞑想とはそういうものであると思っています。
ですから、今回の研究ではMI-NDEの経験が宗派を問わず驚くべき一致を見せたのだと思います。瞑想は方法ですから、目的を達成したら、個々の瞑想技法は超越されるのです。
・インタビュー後編はコチラ
(編集部)
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2024.10.02 20:00心霊「臨死体験」を引き起こす瞑想の存在を徹底解説! 世界の仏教僧を研究した学者ゴードン教授・激白独占インタビュー!のページです。仏教、臨死体験、MI-NDE、ウィリアム・ヴァン・ゴードン、瞑想心理学、トカナ独占インタビューシリーズ(海外編)などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで