仏教僧は瞑想で「5つの臨死体験」が自在にできると実験で判明! 時空の消失、異世界体験、悪魔との遭遇…
世界中で報告されている臨死体験。死の淵から生還した人は、しばしば、天国や地獄の光景、死別した人との再会、神や天使との遭遇などを体験するというが、瞑想に熟達した仏教僧はこうした体験を自由自在に引き起こすことができるという。この度、その研究結果が科学ジャーナル「Mindfulness」(3月12日付)に掲載された。
■臨死体験を引き起こす瞑想
自身も瞑想を嗜むという英・ダービー大学のウィリアム・ヴァン・ゴードン博士は、臨死体験(NDE, Near Death Experience)に似た瞑想体験が仏教の古典で頻繁に言及されていることに注目し、世界中から瞑想に熟練した仏教僧を集めて実験を行った。
被験者の募集にはテーラワーダ仏教、大乗仏教、チベット密教から38人の応募があり、そこから実験に適合する被験者を絞り込むため、臨死体験の調査法として利用されるグレイソンのNDEスケールに答えてもらった上で、英語の理解力や3年間の実験に参加する意思があるかを確認し、最終的に12人の被験者が残ったそうだ。
12人の被験者はスリランカのテーラワーダ仏教徒4人、タイのテーラワーダ仏教徒1人、チベット仏教徒6人、日本人の大乗仏教徒1人で構成され、その83.3%は男性、66.7%が出家修行者、平均年齢は54.17歳、平均瞑想暦は28.08年だった。
実験では、被験者である仏教僧らに「瞑想による臨死体験(MI-NDE)」と臨死体験を伴わない瞑想を行ってもらい、臨死体験を測るNDEスケール、神秘体験を測るMysticismスケール、自己執着を測るNASスケール(Non-Attachment Scale)の3つのスケールに答えてもらった上で、個別に体験内容についての面接を行った。
まず、全てのスケールにおいて、MI-NDEの方が他の瞑想体験よりも高いスコアを示し、より深いNDE体験が得られていたことが分かった。瞑想は主観的な体験ではあるが、この結果によりMI-NDEが臨死体験に近い特殊な体験を引き起こしていたことがある程度客観的に証明された。
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