『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングはクソ野郎!? 歌も踊りも微妙… 映画のダークサイドが指摘される!

 出会ったばかりの頃のミアが実はジャズが嫌いだとセブに告げると、本物のジャズを聴かせるとセブはミアをジャズクラブへ連れて行き、その後も何度となくジャズを“強制”するのである。フリーマン氏はこのようにデートにおいて相手に自分の趣味嗜好を“押しつけ”て従わせようとする男は“最悪”であると咎めているのだ。

■“最悪のデート”を思い出す

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画像は、「ラ・ラ・ランド オリジナル・サウンドトラック」より

 これまでの研究でもロマンス映画に登場する主役男性は、ストーカーであったり強迫観念にとらわれていたり、ナルシストであったり、あるいは幼稚であったりと、何かと問題のある人物であることが報告されている。セブもまたこうした問題のある主役男性の1人なのだ。そしてその問題行動とは自分の趣味嗜好の“押しつけ”である。

 フリーマン氏はある意味で意図的に、こうした男性の“押しつけ”するキャラクターをとりあげて話題にしているということだ。なぜなら趣味嗜好を頑なに他人に“押しつけ”ようとする女性にはまだ出会ったことがないからである。

 その一方でフリーマン氏は実に多くの“押しつけ”をする男性にこれまで出会ってきた。そしてその中の少なくないケースで“最悪のデート”という結末を迎えている。

“最悪”な彼らは世界はかくあるべく自分たちの周りにあると信じ、趣味嗜好と感覚を混同し、他者は異なる好みを持っていることを受け入れられない。そしてこうした“押しつけ”は実のところ男の“沽券”が揺さぶられている不安に端を発しているということだ。心の底では彼らは不安だったのだ。

 他にも人気のある海外映画メディア「FILM DAILY」が、主演のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの歌も踊りも“微妙”だったと評するなど、日本における「絶賛」一辺倒ムードと海外の論調とは若干乖離しているという現状がある点は、しっかり指摘しておかなければならない。

 いずれにしても、『ラ・ラ・ランド』を鑑賞中、前述のフリーマン氏はかつて“押しつけ”てきた男たちの記憶がいくつもよみがえってきて楽しむどころではなかったと嘆いている。地上波初登場の『ラ・ラ・ランド』を観て、はたして貴女はかつての“最悪のデート”を思い出すだろうか?

(文=仲田しんじ)

参考:「The Guardian」ほか

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ラ・ラ・ランド

でもやっぱ名作だよね!

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