「体内からHIVが消えた」HIV感染の男性が史上2人目の寛解! 幹細胞移植で…HIVもエイズも“治る病”に!?
不治の病とされるHIV感染が寛解した世界で2人目の患者がイギリスで報告された。驚くべきニュースに世界で期待が高まっている。
今月4日の米「New York Times」紙によれば、世界で2回目のHIV寛解に成功したのは、英ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのウイルス学者ラヴィンドラ・グプタ氏らだ。匿名で「ロンドンの患者」と呼ばれる患者は、血液のガンの一種であるホジキンリンパ腫の治療で2016年に造血幹細胞を含む骨髄移植を受けた。その治療後、患者からはHIVが検出されなくなり、2017年9月からは抗HIV薬の服用を中止しているという。その後も繰り返し徹底的な検査が行われたが、患者の体内からウイルスは見つかっていないそうだ。この驚くべき症例は今月4〜7日に米シアトルで行われている学会で報告され、論文は科学誌「Nature」に掲載されるとのことだ。
HIVはエイズ(後天性免疫不全症候群)の原因となるウイルスで、人間の免疫細胞に感染して徐々に減少させる。HIVの感染から数年後には免疫不全を起こし、通常なら問題にならないような感染症にもかかりやすくなってしまい、やがて死に至る。現在では抗HIV薬の開発が進んだ結果、HIVに感染してもエイズの発症を長期的に抑えられるようになってきている。とはいえ、患者の体内からHIVを完全になくす治療法は開発されておらず、HIV感染はいわゆる“不治の病”の一つである。
だが、これまでに世界にただ1人だけ、HIV感染が寛解した患者が存在する。それは2007年に報告された「ベルリンの患者」ことアメリカ人のティモシー・レイ・ブラウン氏で、彼もまた白血病で骨髄移植を受けて死にかけて以来、体内からHIVが消えてしまったという。
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