【半グレ・アビス】港区赤坂が大阪ミナミのような過密暴力地帯に!? ミカジメ集団暴行事件で見えた“絶望の未来”

 ヤクザには“縄張り”という土地を巡っての概念がある。当然登記もされない権利であるが、この縄張りを巡る大きな抗争事件も多く、関東では路地一本にも縄張りが敷かれている。

 そんな中、赤坂は住吉会・大日本興行の縄張りとされ、配下の組員などに飲食店からミカジメを取らせていたが、2017年11月に、ミカジメを取った事件で組長以下10人以上が逮捕された。組長には懲役2年半の実刑判決が下され、諸事情で求心力が無くなり、組員が大幅に減少し、赤坂はヤクザの空白地帯となっていたのだ。そこに目を付けたのが、大日本興行と因縁がある住吉会系の二次組織だ。

 その組織の組長は“アビス”の面倒を見ていたともいわれる六代目山口組系「兼一会」の会長と兄弟分の関係とされている。

「この二次組織は、ある事件がきっかけで大日本興行から処分され、別れた組織で、その後六本木などを地盤としていました。しかし、六本木、渋谷、新宿などは暴力団系の組織が多く存在するため、半グレが立ち入る隙間はありませんし、縄張りを拡大するのも難しい。それに比べて赤坂は、半グレもいない、またヤクザも現在は少ないという理由で狙い目だったのでしょう。そこで、元アビスを利用してミカジメを取らせていたんです」(実話誌記者)

 今年、“アビス”は敵対するグループを襲おうとしたなどの疑いなどでも大量に検挙され、その後分散し、客引きなどを行っているともトカナで報じた。その当時は、任侠山口組が後ろ盾だったのだが、変化があったのであろうか。

「当時から任侠山口組とか神戸山口組、六代目山口組とかみんなバラバラでしたね」(アビス元メンバー)

 また、違う実話誌記者はトカナの取材に対して、今回の背景を

「赤坂を手中に収めて住吉会の武闘派組織に縄張りを渡す工作をしていたとも聞いています」と語った。

 東京の主要都市は新宿、池袋、赤坂などを除いて、銀座、渋谷、六本木の一部など都会の主要繁華街の多くは国粋会の縄張り。その後、国粋会は六代目山口組に加入したために、住吉会などは六代目山口組に賃料を払っていたという背景がある。

 その縄張りを守ろうとして関西の準暴力団である元“アビス”のメンバーを赤坂で使っていたのであろうか。

 赤坂がミナミのような過密暴力地帯にならないことを祈りたい。

文=高田敏則

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