京都大学で母親の脳みそを竹串で掻き出した男・三輪健吉とは!? 最悪の猟奇殺人事件…江戸川乱歩との関係も

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殺害された箕輪健吉の母。朝日新聞大阪版夕刊1951年4月5日付

――京都大学の博士課程に所属。オカルト・宗教の専門家、神ノ國ヲが斬る!

 昭和26年4月2日の午前11時15分。この忌まわしい事件の記憶を知る人は、ほとんどいない。約68年前、「京都大学」構内で殺人事件が発生した。あまりに凄惨な事件の内容に当時の人々は戦慄、驚愕した。


【犯人・三輪健吉の人生】

 三輪健吉は、大正9年に、和歌山で母・山本はなえのもとに生まれた。山本はなえは、和歌山師範学校を卒業後、小学校教員として20年以上勤務。健吉が7歳で死に別れた父にかわり、女手一つで健吉を育てた苦労人だった。

 健吉は、そんな母に支えられて、和歌山中学、関西学院専門部を経て、戦時下の昭和19年、台北帝国大学に入学。戦後、昭和21年、京都大学文学部哲学科に転校し、昭和24年に心理学専攻を卒業している。太平洋戦争を挟んだゆえか、遅咲きのエリートだった。

 しかし就職できないままに、「推理小説家になる」という健吉の夢は大きくなり、やがてそれが破裂するに至る。三輪健吉、31歳の春だった。

【事件発生】

 そして運命の日、昭和26年4月2日、午前11時15分。健吉は「京都に就職口を得た」と東京から母を連れて上洛。京都大学・文学部校舎の入り口階段で、突如、母の首を絞め、持っていた銅製仏像で殴打し殺害。割れた頭蓋から、竹串5本で脳を掻き出した。

 さらに死体を全裸にした上で、その両足を縛り、土木学教室前までの約100m、母の死体を引きずって歩いた。頭蓋の割れた全裸女性を引きずる男に構内は一時騒然。緊急通報により駆けつけた警官が健吉を逮捕した。

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箕輪健吉。朝日新聞東京版朝刊1951年4月3日付

【三輪健吉の供述】

 逮捕された健吉は「精神鑑定をしてほしい」「正気でやった」「死体は特殊な状態だから俺と一緒に現場写真を写せ」などと意味不明な供述を繰り返した。事情聴取に当たった警察と京大教授らに、健吉は驚愕の動機を語る。

「母は水爆で狙われており、ゴビ砂漠で惨殺される、木端微塵にされるよりは自分の手で安らかに死なせたかった……」なんと健吉はこの凶行を親孝行であったと主張したのだった。その後、健吉は、拘置所内で壁にぶつけた自分の頭の傷に箸を刺して脳を取り出そうとするなど奇行が絶えず、結局、回復することなく自殺した。

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