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■オカルト全開の受賞者たち
アレクシス・カレル
1903年にノーベル医学生理学賞を受賞した、フランスの生物学者アレクシス・カレルは、医学生時代に自分の患者とともに、ピレネー山脈の麓にある「ルルドの泉」を訪れ、その治癒効果を目の当たりにし、生涯心霊現象に関心を持ち続けていた。
シャルル・リシェ
同じくフランスの生理学者で、1913年にノーベル医学生理学賞を受賞したシャルル・リシェは、イギリスの「心霊現象研究協会」にも所属し、エヴァ・カリエールやユーサピア・パラディーノなど、幾多の霊媒師たちが示す現象について自ら研究を行った。霊が物質化する際、霊媒師の体内から出る謎の物質を「エクトプラズム」と命名したのも、このリシェである。
ブライアン・ジョセフソン
物理学者で超能力研究に走った人物には、イギリスのブライアン・ジョセフソンがいる。1962年、ジョセフソンは若干22歳で「ジョセフソン素子」の原理を発見し、その功績で1973年にノーベル物理学賞を受賞した。しかしその後は、超心理学や意識の研究に没頭しており、「量子もつれ」と超心理現象を結びつける理論を提唱して物議を醸している。
しかし、考えてみれば近代科学の基礎を据えたアイザック・ニュートンも、実は錬金術などの魔術に多大な関心を有していた。科学的な業績と超常現象への関心は、必ずしも相反するものではないということだろう。今回紹介したように、私たちに未知なる世界のエピソードを届けてくれるノーベル賞受賞者は、これからも現れるだろうか。
参考:キャリー・マリス『マリス博士の奇想天外な人生』(早川書房)
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