犬に育てられた野生少女「オクサナ・マラヤ」保護10年後の衝撃映像! 吠えて突進、ブルブル、骨を咥え… 虐待による悲劇!

犬に育てられた野生少女「オクサナ・マラヤ」保護10年後の衝撃映像! 吠えて突進、ブルブル、骨を咥え… 虐待による悲劇!の画像3
画像は、「HONEST to PAWS」より引用

 しかし、オクサナさんは当初の予想よりも遥かに速いスピードで言葉によるコミュニケーションを習得していった。

 そして「野生児」にしては珍しく、自分が犬のように四つん這いで生活しはじめた理由も明かしている。「退屈のあまり自分から犬の真似をするようになった。寂しかった。犬に話しかけると犬が吠えてきて、私も真似して吠え返した。そうやって私たちはコミュニケーションしていた」のだという。

 この時、インタビューを受けるオクサナさんは22歳になっていた。彼女は続ける。

「時々とても悲しくなる。そんな時は四つん這いになって歩き回る。両親をこの目で見てみたい。ずっと自分には親がいないと言われてきたけれど、本当はいることがわかった」

 後日、そんな彼女の願いが叶い、ホームから350キロ離れた場所から父親がオクサナさんの異母妹とともに会いに来た。母親はずっと行方不明のままだという。

 建物の前で父親を出迎えたオクサナさん。両者は一定の距離を取ったまま茫然と立ち尽くし、お互いを見つめている。しばらくして、オクサナさんの方から一歩、二歩と距離を詰めていく。そして最初に口を開いたのはオクサナさんの方だった。

「こんにちは」

 父親はこう続けた。

「こんにちは。来たよ。分かるかい?」

「小さな頃、あなたと一緒に遊ぶのが好きだった。」

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画像は、「HONEST to PAWS」より引用

 オクサナさんがその存在すら知らなかったという妹は、2人の様子を見て泣いている。オクサナさんは優しい笑顔でその妹の腕を慰めるようにさすり、手をつないで歩いた。

 ネグレクトという虐待を受け、あまりにも特殊な環境で育ったことにより自分が人間であることを忘れかけていたオクサナさんだが、その笑顔からは大きな愛と優しさが溢れていた。オクサナさんは現在36歳になっている。

文=本田光紀

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