歩行中の宇宙人が車に轢かれて、UFOが救急搬送しに来たものの死亡! 謎の交通事故が新聞で大ニュースに!

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画像は「Washington Post」より引用

 事故車に乗っていたエドワード・ワッターズ(当時28歳、以下同じ)、トーマス・ウィルソン(20歳)、アーノルド・ペイン(19歳)は一躍時の人となった。地元警察には自分も猿やUFOを目撃したという通報が殺到し、猿の死体を取材しにマスコミが殺到した。警察や軍も事件の捜査に乗り出した。

 しかし、騒ぎはあっという間に収束した。警察の依頼で「火星の猿」の死体を調査した解剖学の専門家らが、「アカゲザルに似ている」と、あっさりその正体を解き明かしてしまったからだ。

 ワッターズらはすぐにイタズラだったと自白した。きっかけは、新聞に自分の顔写真を載せるという10ドルの賭けだったという。当時は空飛ぶ円盤が何かと話題になっていたので、「火星の猿」をでっち上げることにしたのだ。

 まず、ワッターズはペットショップでアカゲザルを50ドルで購入した。このとき、レジ係に口止め料4ドルを払うことも忘れなかった。そしてウィルソンやペインと共に猿にエーテルで麻酔をかけ、その頭をボトルで撲殺した。そして尻尾を切り取り、薬で除毛して、その前身を緑色に着色した。そしてあのハイウェイにしばらく放置して何人かのドライバーに目撃させ、道路に円盤の着陸跡を偽装し、それから警察に通報したのである。

 主犯のワッターズは道路に動物の死体を投棄した罪で40ドルの罰金を課せられた。罰金も合わせて彼が支払った額は100ドルを超え、賭けで獲得した10ドルを差し引いても大きな赤字だった。また、どこへ行っても事件のことでからかわれるようになり、別の街に転居せざるを得なくなったそうだ。

 ジョージア州捜査局の小さな博物館には、現在も「火星の猿」が展示されているという。緑色の着色料はすっかり落ちていて、その体は今や真っ白になってしまっている。若者による他愛のないイタズラではあったが、地元にとっては忘れられない小さな歴史の1ページなのだろう。

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画像は「Wikipedia」より引用

参考:「Washington Post」「Wikipedia」「NBC News」ほか

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