【緊急】エジプト軍の介入は秒読み! リビア内戦がどれくらい危険な状態か解説
【緊急】エジプト軍の介入は秒読み! リビア内戦がどれくらい危険な状態か解説…トルコ対エジプト・ロシアの代理戦争始まる!
ーー軍事研究家の塩原逸郎が奇稿!
北アフリカのリビアで新たな戦争が始まろうとしている。国を東西に隔て続いてきたリビア内戦にエジプトが介入の意志を示しているのだ。
そもそも今リビアはどうなっているのだろうか?
2011年の「アラブの春」で長らく続いたカダフィ政権が打倒されたリビアであるが、その後は国を二分する内戦状態に陥っている。昨今では、国連が承認し国の西側を勢力下に置く統一政府(GNA)軍と、国の東側を勢力下に置くハフタル将軍率いる「リビア国民軍」(LNA・ハフタル派)とが対立している。統一政府軍のバックにはトルコ・カタールが付き、ハフタル派のバックにはロシア・エジプト・UAEが付く。また、ハフタル派には悪名高きロシアの傭兵集団、ワグネルが参加している。
現在の戦況を見てみよう。リビア内戦においては1年近くハフタル派側が統一政府の拠点たる首都トリポリを包囲下に置いていた。しかし今年4月、統一政府軍はトルコの支援も得つつ包囲を突破し、東に向け進軍を開始した。7月現在も、統一政府軍はトルコの支援を得つつ東へと進軍を続けている。
そのような情勢下で、6月20日、エジプトのシシ大統領はテレビ演説において「(リビア中部の地中海沿岸の都市)シルトはエジプトの国家安全保障のレッドラインだ。」「エジプトは必要な犠牲を払い、ふさわしい態度を示す準備ができている」との旨を述べ、シルトに統一政府軍が進軍すればエジプト軍がリビアに介入する意志を示した。更に7月20日、エジプト議会は全会一致でリビアへの派兵を承認した。現在、統一政府軍はシルトの中心部から30kmの位置に到達しており、シルトへの進軍はまさに秒読み段階となっている。
仮にエジプトがリビアに介入すれば何が起きるのだろうか? 筆者は、統一政府軍のバックに付くトルコと、ハフタル派のバックに付くエジプト・ロシアの直接衝突が起きると予測する。
トルコは統一政府軍に対し、空軍のF-16による航空優勢の確保、ドローンによる攻撃、シリア人傭兵の投入等でハフタル派に対し優位に立つことができるよう支援を続けてきた。一方エジプトは統一政府軍を度々空爆、ロシアは5月末に戦闘機をハフタル派占領地域に派遣した他、先述した通りワグネルの傭兵を派遣する事でそれぞれハフタル派の支援を行っている。
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