ーー緊急事態宣言が解除されてから2か月が経ちました。街の様子は少しずつ変わってきましたね。
初沢 緊急事態宣言終了後には人が出てきましたよね。そこから2、3週間で、緊急事態宣言下よりも1日の感染者数が多いのに相変わらず人が出ている。ステイホームは科学的根拠に基づいたものではなく集団心理に過ぎなかった。そのうえ、マスクしている、していない」みたいな所で相互監視が強化されていくわけじゃないですか。うっとおしい話だと思います。
ーー「ビフォーコロナ」/「アフターコロナ」というふうに、コロナ禍前後を分ける考え方がありますが、何か思うところはありますか?
初沢 リモートワークが進むとかはあるでしょうし、生活が激変した人もいると思います。でも、大きな変化が起きているとは思いません。
何かが起きると「変わった」と言いたがる、「変わった」ということで儲けようとする人たちが出てきますよね。「大して変わらない」と言ったら売り物にならないからそういう話をしたがる。東日本大震災後にもそういう話がありました。でも、原発の問題も人間の消費活動もそう簡単には変わらないし、原発のことも忘れられていく。それと同じように、コロナ禍が収まったら元の生活に戻っていくでしょう。人は忘れやすいものだから。