「数十年も引きずる」トラウマ級に怖い“少女ホラー漫画”を編集者が紹介! 眼球ブッ刺し、思春期女子の闇、血飲み、惨殺…!
■御年91歳の巨匠漫画家のホラー作品
――そういえば本書でも触れられていますが、わたなべまさこ先生は御年91歳で、いまだに現役の漫画家だそうですね。
光元 わたなべまさこ先生は2020年4月から6月まで、集英社のマンガアプリ「マンガMee」にて、週刊連載を終え、続いて『JOUR 素敵な主婦たち』(双葉社)でシリーズ連載を始めたというツワモノです。
わたなべまさこといえば名作「聖ロザリンド」が有名ですね。8歳の少女が、無垢な心で殺戮を繰り返します。彼女が一歩踏み出すたびに人が死ぬような作品です。いわば殺人鬼版の『ホーム・アローン』みたいですね。本作だけで35人と犬1匹が殺されています(笑)。本書では、「聖ロザリンド」に引き続く、悪魔の赤ちゃんが登場する「黒天使(ブラックエンジェル)シンセラ」の一部を収録しているのも見どころです。
「白いカメレオン」も個人的にはトラウマ作品ですね。白いカメレオンが「おれの血をすすれば美を手に入れることができる」と誘ってくる話です。カメレオン自体の気持ち悪さ、その血を飲むという行為、さらに美しくなって思い通りの結婚をしたのに子どもを生んだらカメレオンの子供でそして自らも……と、もう怖さの三重苦ですよ。わたなべ先生は、女の情念のようなジメッとしたものを描くけれど、どこかカラッとした恐怖もあって、恐ろしいですね。今も人間の業を暴くような怖い話を描かれていて、ただただご健筆ぶりに感服しております。新作も楽しみです。
いかがだろう。少女ホラー漫画愛にあふれる光元さんが編集した『私たちが震えた少女ホラー漫画』を読み、ぜひ今回インタビューに登場した数々の作品に触れてみてほしい。秋の夜長、読み始めたら止まらない面白さと極上の恐怖を100%堪能できるはずだ。
~おわり~
※ 少女ホラー漫画の歴史とエグさに徹底的に迫った前編はコチラ!!
【刊行情報】『私たちが震えた少女ホラー漫画』オフィスJ.B編(辰巳出版)
「少女たちを恐怖のどん底に叩き落とした、あの恐怖が蘇る…」。ホラー漫画に夢中になった女性たちに向けて、70年代〜00年代までの少女ホラー名作をイラストやコラム、インタビューで振り返る。犬木加奈子「三途の川」/葉月シモン「一枚の絵」/石上愛実「シャボン玉幸子さん」の漫画も完全収録。
光元志佳(みつもと・ゆきか)
『私たちが震えた少女ホラー漫画』(辰巳出版)の編集長であり、ホビー、写真集、カルチャーなどを扱う編集プロダクション・オフィスJ.B取締役。
オフィスJ.B
https://office-jb.net/
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2024.10.02 20:00心霊「数十年も引きずる」トラウマ級に怖い“少女ホラー漫画”を編集者が紹介! 眼球ブッ刺し、思春期女子の闇、血飲み、惨殺…!のページです。ホラー、恐怖、トラウマ、血、カメレオン、松本祐貴、少女漫画などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで