【凄い話】娘を殺された母親がたった1人で麻薬カルテルの犯人集団に復讐! 尾行、潜伏、追跡、衝撃の結末… 映画『レオン』を超える壮絶ストーリー!
サマの証言から共犯者の名前がいくつも明かされ、ミリアムさんはさらに調査を続けた。医療従事者や選挙管理人になりすまし、犯人の家族と接触、その情報を収集し続けたのである。
犯人の中にはすでに死亡している者、刑務所に入っている者もいたが、中には故郷に戻って敬虔なクリスチャンとして生き直している者もいた。ミリアムさんはその祖母に接触し、彼が通っている教会を突き止め、警察に通報した。逮捕される時、この男はミリアムさんに泣いて慈悲を求めたという。だが彼女は「お前らが私の娘を殺した時、お前の慈悲の心はどこにあった?」と言い返したそうだ。
最後に捕まえた男は、事件後に麻薬カルテルから逃亡し、アメリカとメキシコを行き来して花の行商をしていた。ミリアムさんはこの男のSNSを一年にわたって監視し、親類を探し当てて周辺を探り、銃を持って待ち伏せした。男はミリアムさんに気付いて逃亡したが、追跡の末に捕らえることに成功、背中に銃を押し付けて「逃げたら殺す」と脅し、警察が来るのを1時間近く待ったそうだ。
ミリアムさんはカレンさんの誘拐殺人事件に関わった犯人のうち、生きている者のほとんどを逮捕させることに成功した。その数は10人にも及び、ミリアムさんの「偉業」は多発する犯罪に苦しむ市民を熱狂させ、同じく家族が行方不明になっている人々を勇気づけた。
だが当然のことながら、メンツを潰された形の犯罪組織側も黙ってはいなかった。最後の男を捕まえた数週間後の2017年5月10日の母の日、ミリアムさんの自宅が襲撃され、彼女は12回も撃たれて殺害されたのである。
サンフェルナンドでは今も身代金目的の誘拐が後を絶たないという。ミリアムさんが立ち上げた行方不明の家族を支援する団体は、今は息子のルイスさんが引き継いで活動を続けている。麻薬カルテルが抗争を繰り広げており、多くの罪のない人々が巻き添えを食っている現実は続いているが、己の身の危険を顧みず娘の仇を打ったミリアムさんの意思もまた生き続けているのだ。
参考:「Daily Star」「The Sun」「NY Times」ほか
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