オーパーツか、宇宙人のディスクか…5千年前の遺物「サブの円盤」
オーパーツか、宇宙人のディスクか…5千年前の遺物「サブの円盤」が本当に科学的で解明できない理由とは?
超古代技術は存在したのだろうか? 当時の技術レベルでは製造が不可能だとされる不可解な出土品――オーパーツは、実際のところその多くが当時の知識が散逸した結果ミッシングリンクとして現代に伝わったものに過ぎないと言われている。しかしあらゆる可能性を検討した上で、なお謎として残る時代錯誤な“異物”があるのも確かだ。海外ミステリーウェブマガジン「Ancient Origins」(7月31日付)を参考に紹介しよう。
●5000年以上前の「サブの円盤」
その1つが、紀元前3100年ごろの第一王朝アネジイブ王の王子サブの墳墓から発見された奇妙な形の円盤だ。通称、「サブの円盤」と呼ばれる。直径約610ミリ、高さ約104ミリの小さなものであり、1936年にイギリスの著名なエジプト学者ウォルター・ブライアン・エメリー氏によって発見された。
サブの円盤は、発見当時多くの一流エジプト学者の興味を引いた。円盤状の物体は、底が丸いボウルのような形をしており、ボウルの外周には、極めて薄い彫刻が施された3つの曲線状の裂け目が約120度の間隔で並び、これらの裂け目は、両凸状の3つの穴によって縁から隔てられている。
円盤の中央には、直径約10センチメートルの細い筒がある。これは片岩と呼ばれる、多孔質の脆い岩石でできており、繊細な彫刻を施すことは非常に困難だという。片岩は剥がれやすい性質があり、道具を当てると簡単に砕けてしまう。しかし、サブの円盤には細かい彫刻の跡が見て取れる。この円盤は少なくとも5000年以上前のものだと見られており、石や銅でできた当時の道具では、片岩のような壊れやすい岩に細かい細工を施すのは極めて困難である。
そして、円盤の目的についても諸説入り乱れており、研究者を悩ませている。発見された直後は、花瓶、香炉、あるいは装飾品や儀式用のアイテムではないかと言われたが、決定打に欠けている。工学的に見ると、サブの円盤はより大きな装置のパーツである可能性が高いという話もある。
たとえば、あるアマチュア歴史家は、3Dプリンターを使って、サブの円盤の正確なレプリカを作成し、古代の「インペラ」と呼ばれる遠心ポンプの部品である可能性が高いことを示した。円盤の中心の小軸で高速回転させると、非常に効率よく水を吸い上げることが分かったのだ。円盤の奇妙な構造が彫刻も実用的な意図を持って工夫されている可能性が高い。
この説は古代エジプト文明が農地の灌漑に注力していた事実からも裏付けることができるかもしれない。古代エジプト人が土地を素早く、効率的に灌漑するための高度な道具を生み出していたとしても不思議ではない。しかし、この説には大きな問題がある。
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