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『ホステル』や『SAW』に影響を与えた伝説の不謹慎ホラー映画とは？内臓、ギロチン、ドリル、生首…

2022.01.08 12:00

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――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・レトリバーが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り！

『悪魔のしたたり　ブラッドサッキング・フリークス』
1976年・アメリカ
脚本・監督／ジョエル・Ｍ・リード
出演／シーマス・オブライエン、ヴィジュ・クレムほか

　80年代に『悪魔の毒々モンスター』シリーズで、ホラー映画ブームに一石を投じたトロマ・エンターテインメントによる悪趣味残酷映画の極北。ただし、元々は別の会社が製作した作品でした。

　低予算映画専門監督ジョエル・Ｍ・リードは、マンハッタンのアングラ小劇場で観たSMバレエ(どんなだ？)をヒントに脚本を書き本作を撮りました。しかし公開後「あまりにも女性を軽視している」と大炎上し、即刻上映中止に。仕方なく南米のドライブイン・シアターで細々と上映していたところ、観ていたトロマのどなたかがいたく気に入り、フィルムの権利を買い取り80年代にビデオ化するとホラーマニアの間で大ブレーク！　『ホステル』や『SAW』に影響を与えたと言われ、日本でも２度に渡るDVD化。世の中わかりませんね。　今より表現規制のユルイ70年代にあって、上映中止を余儀なくされるほどの女性蔑視表現とは？　それではトカナ小劇場の幕を上げましょう。

◆あらすじ

　ニューヨーク・ソーホーの一角に佇む、拷問とSMに特化した「死の劇場」。マゾの座長サルドゥ以下、スタッフは小人と二人の女性。単なるSMショーではなく、実際に人体を損傷させ殆どは死に至るという内容ですが、観客はリアルな描写のトリックと思い込み、怖いもの見たさで劇場に足を運びます。

　舞台上では全裸の若い女が指を万力で潰され、頭を鉄の輪で締め付けられ鼻血を垂らして動かなくなると、小人の「死にました」で満場の拍手が起こります。小人は女の目玉を指でくり抜いて飲み込んだりもします。しかし客席にいた高名な批評家のサイロは「パリのグランギニョールの方がマシだ。三流の奇術を批評する気にもならん」と観客の前でサルドゥをこき下ろし、散々貶して帰ります。　さて、死の劇場の地下室には、全裸の女達が数十人監禁されています。ろくに食事を与えていないようで、小人がバケツに入れた生肉を牢内に放り投げると、飢えた女達は野獣のように唸りながらガッツキます。サルドゥは普段から女達を人間椅子や尻をダーツの的にするなど虐待していて、ショーで使う他は中東産油国に売り飛ばしていました。　そんなサルドゥは自分の演劇を芸術と認めさせようと、助手達にサイロを拉致させます。サルドゥは女の両乳首をクリップで挟み、500ボルトの電流を流しながらサイロに感想を求めます。だがサイロは「こんなの駄作だ」と首を縦に振りません。　そこでサルドゥは面白い事を思いつきます。来場していた有名フットボール選手マーベリックが連れていた恋人ナターシャも誘拐します。彼女は著名な美人バレリーナなので出演を依頼しますが、当然拒否されます。なのでサルドゥは、ナターシャがウンと言うまで拷問を見せていきます。　サルドゥの知人の闇医者は、麻酔をせず女の歯をペンチで全部抜きます。その口で小人がフェラした後、闇医者は脳天に電動ドリルで穴を開け、ストローを刺し脳ミソをチュウチュウ吸います。しかし、これに嫌悪感を抱いたサルドゥは闇医者を小人に始末させます。小人が闇医者を地下牢に放り込むと、食事をまともに与えられていない女達がゾンビのように群がり、噛み千切り内臓を引きずり出し、生きたまま食べてしまいます。