【未解決】相次いだ女子高生惨殺は本当に偶然だったのか? 2つの「舞鶴事件」の謎と真犯人に迫る

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画像は「Getty Images」より

 自分が雨男雨女だと思っている人などは、ことあるごとに天気運がないと感じることだろうし、急いで目的地を目指すときに限って、いつもより多く赤信号や渋滞、混雑や遅延などに当たると感じる人も少なくないだろう。そうした人が、これらの体験について誰かに話すと、比較的高い確率で「単なる偶然だ」と片付けられるものだろうが、果たして本当にそうなのだろうか。こと未解決の殺人事件に限って言えば、実はそんな偶然など、そう多くは存在しないと筆者は考えている。なぜなら、人が誰かを殺すに際して、本質的な意味で「偶然」であるといえるケースはほとんどないからだ。

 2008年5月6日の午後10時過ぎ、京都府舞鶴市で高校1年生の女子生徒・Aさんが家を出た後、友人や兄に相次いで連絡したのを最後に、何の脈絡もなく失踪。その2日後に、市内にある雑木林の中で遺体となって発見されるという、なんとも痛ましい事件が発生した。司法解剖の結果、Aさんの死因は窒息死であることが判明したものの、それに加え、バールのようなもので顔や頭などを数回にわたって殴打された上に、発見を遅らせる目的なのか、遺体の上から土砂や枯れ葉などをかけられ、隠蔽工作をした痕跡が残されていたという。これが別名『舞鶴事件』とも呼ばれる『舞鶴高1女子殺害事件』だ。なお、この事件については、事件発生から約半年後の同年11月に、別事件で逮捕された男に容疑がかけられ、逮捕・起訴されることとなったものの、集められたのが状況証拠ばかりで決定打に欠けたのか、2012年12月、二審での無罪判決が確定。真犯人がわからぬまま、未解決の状態となっている。だが、奇妙なことに、この事件から約7年前にも、実は同じ舞鶴市で、女子高生が不可解な失踪の末に、遺体となって発見されるという事件が発生していたのだ。

 2001年(平成13年)11月17日、京都府舞鶴市を流れる志楽川で、その12日ほど前から行方不明となっていた高校3年生の女子生徒・Bさん(当時18)が遺体となって浮かんでいるのが発見された。Bさんの遺体には、首や胸などを中心にカッターナイフのような薄手の刃物で斬りつけられたと思しき傷が無数にあり、そのうち、首の傷が気道へと到達。肺に大量の血液を吸い込んだことが原因の窒息死であることが判明した。また、衣服のボタンはとれていたものの、乱暴されたり、Bさん自身が抵抗した痕跡などは発見されなかったという。この事件は、後に『舞鶴高3女子殺害事件』と名づけられ、先にご紹介した『舞鶴高1女子殺害事件』の発生した2008年時点も、また、発生からおよそ20年が経過した2021年の現在でも、未解決のままとなっている。

 さて、これらの事件を見たときに、筆者がまず気になる点がある。それはあまりに近いエリアで10年以内に2件もの女子高生の失踪・殺人事件が発生し、そのいずれもが未解決となっている点だ。実はこれら2つの事件において被害者の遺体がそれぞれ発見された場所は、山を隔ててはいるものの、直線距離にしてわずか2キロ程度、山を避けて迂回するように移動しても、たった4.5キロほどしか離れていない。さらにいえば、『舞鶴高1女子殺害事件』の被害者宅は、くしくも『舞鶴高3女子殺害事件』の遺体発見現場の目と鼻の先。いかに狭い範囲でこれらの事件が起きているかがよくわかるというものである。これは単なる「偶然」といえるものなのだろうか。

後編(23日18時に配信予定)に続く!

文=野島居慎太郎

日本の凶悪事件に詳しいライター

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