忘れてはいけない2つの孤立死・飢死事件に共通する闇とは!? コロナ禍で悪化の可能性も
10年前の2012年1月20日、衝撃的な事件が起こった。北海道札幌白石区のマンションにて住んでいた40代の姉妹が困窮死しているのが発見されたのである。姉のAさん(42)は、脳内出血で死亡。知的障碍を抱えていた40歳の妹も餓死しているのが発見された。この事件が特にショッキングだったのは、2人が何度も福祉事務所にSOSを発信し続けていたにもかかわらず、事務所はなにもせず彼女たちを見殺しにした点である。なぜ、このような悲劇が起こってしまったのか。
2人は小さい頃に父と母を亡くしており、伯父に引き取られた。伯父が亡くなると高校卒業後から働きに出た。姉のAさんは地元デパートのCDショップに勤務し、あらゆる業務をこなし、周囲からの評価も高かったそうだ。妹のBさんも中学卒業後に地元の衣料品店で住みこみで働いていた。
しかし、不況のあおりをうけ姉妹で失職してしまう。
さらに、妹のBさんが病気を患ったことにより姉のAさんが看病しなくてはいけなくなり、またAさん自身もめまいや頭痛・吐き気などの症状を訴えはじめ、生活が困窮していくようになる。計3回福祉事務所を訪れ、生活保護を申請しようとするも、いわゆる“水際作戦”により結局生活保護は受けられず。国保は料金滞納により解約しており、電気ガスも料金滞納により停止。
凍えるほど寒い部屋の中で、姉のAさんは2011年12月20日(推定)に脳内出血により死亡し、妹のBさんも翌年2012年1月上旬から中旬に餓死してしまった。従姉妹にあたる夫婦がこのことを新聞で知り警察に連絡、遺体の写真を確認したとことろ、Aさんは目をカッっと見開き、口を大きく開け何かを訴えかけるようだったという。妹Bさんは64キロあった体重が36キロになっており、骨と皮だけの見るも無残な姿になっていたという。Bさんの携帯には『111』との発信履歴があった。これはおそらく110番か119番に電話をかけ、助けを求めようとしたと思われる。なんの罪もない2人が、なぜこのような無残な最期を遂げなければいけなかったのだろうか。
そして、この事件の25年前となる1987年にも札幌市白石区で3人の子を持つシングルマザーでありCさんが生活保護を受けられず餓死する事件があった。Cさんはギャンブル癖のある夫と離婚したあと3人の子供と暮らすため昼も夜も働いたが、次第に生活に困窮するようになり、サラ金や友人から金を借りるようになった。当初は返済できていたものの、やがてサラ金からの借金は利息すら支払えなくなり、友人への借金返済も滞り、周囲と疎遠になっていった。
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